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「.....久しぶりだな...ハル...」
あの夏の日から5年後、
僕は彼のお墓の前に
彼が好きだったひまわりの花を手にやって来た。
あの夏の日は、一生忘れられないものになった。
あの日、
彼が乗っていたバスは交通事故になった。
死者3人、重軽傷者18人、
その死者3人の中に
ハルがいた。
あの日、
ずっと伝えられなかった言葉は、
ついに彼には届かなくなってしまった。
「.....すきだ....」
やっと言えなかった言葉を口から紡ぐ。
しかし、そのたった3文字は、
誰にも拾われることなく
眩しい青色の空に溶けていった。
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