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30分前に、彼に告白した。
OKを貰えるなんて思ってなかった。
ただ伝えられればいいと思っていた。
案の定、返事は「NO」
想定内ではあったけど、
やっぱり辛かった。
それを見かねた彼は、
俺にこう言った。
「30分間だけ、時間をあげるよ」と。
「30分間の間ならなんでもしていい」と。
そう言われたのが30分前。
いつの間にか25分も経ってしまっていた。
ちょこんと、彼の指先に触れる。
指先でもわかるくらい、
彼の手は熱をもっていた。
『少しはドキドキしてくれないかな』
まだそんなことを考えてしまう。
なんて諦めの悪い奴なんだ。
ゆっくり彼の指と自分の指を絡ませていく。
お互いに手は汗ばんでいた。
少しずつ、彼との距離を詰めていく。
そして額同士をくっつけた。
「コツン」と2人にしか聞こえない音が聞こえた。
伏せていた目線を彼の方に向ける。
目は潤み、頬は赤く染まっていた。
目線に気づいたのか、彼も目線をあげた。
目が合う。
一気に心拍数が上がったのが分かった。
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