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成人式で久々に再会した後、年に数回中学校で仲の良かった友人達と集まることがあった。ビー太郎は参加したり参加しなかったりだったけど、ビー太郎の噂はわたしの大学にも届いていた。
“K大の九条、W大の木下”なんて言われていたからね。一部のファンの間では黒王子と白王子なんても呼ばれてた。まさか、その九条くんに雇われることになるとは夢にも思っていなかったけどね。本当人生って何があるかわからないわ。
ビー太郎はなんだかんだ彼女が途切れることはなかった。結局モテるのだ。別れても、直ぐに彼女が出来る。大学の四年間は相当遊んでいたらしい。本人も言ってた。「俺の黒歴史」って。「調子乗ってた」らしい。
「あれ?まだいるの?」
そんなこんなでいつの間にか夜も9時になっていた。あれしてこれして、と夢中になっていると九条くんが会食先から帰ってきた。
「あ、お疲れ様です。お戻りですか?」
「うん。けど、すぐ帰るよ」
“K大の九条”、噂しか知らなかった彼の第一印象は言葉にならなかった。「ほぅ」と惚けた台詞のみ。確かに男前、イケメンだった。
だけど目がギラついてて、のし上がってやる!って気持ちが表情にも現れていた。ちょっと怖い人かもって思ったのが正直な話。話せばそんなことないし、意外と面倒見が良い。冗談も言う。根は真面目だけど、面倒くさがりで良い加減なところも多い。闇もある。
会社を設立した当初はビー太郎に「雑すぎ!」とよく怒られていた。それをフォローするビー太郎も大変だった。ちなみに香月くんと三人並ぶと顔面偏差値がハーバードレベルだ。9年もこんなにも顔(だけ)イケメンばっかり見てる自分は幸運だと思う。
「奥様待ってますもんねぇ」
「玲が結城ちゃんに会いたがってたよ。今度連絡してやって」
だけど、去年結婚してうちの社長様は丸く、まあるくなった。笑い方が変わったし纏う空気も違う。
「じゃあお誘いします〜ってお伝えください」
玲ちゃんは良い子だ。九条くんに勿体ないぐらい良い子だ。可愛いし料理上手だし、仕事の理解がある。コンサルタントとしてうちに来てくれた時はお昼を一緒にとったり、時々飲みにも行った。まさか九条くんとくっつくとは思わなかったけどね。
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