35歳になりました。

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 とても軽く承諾してしまったけど本当に良かったのだろうか、と不安になったわたしは報告も兼ねて千佳子に伝えた。すると案の定反対された。 それでも結局意思を曲げなかったのは、やっぱりビー太郎の誘いを断りたくなかったからだ。 ビー太郎ならきっともっと有能な人を知っていたと思うし誘うこともできたのに何故か声をかけてくれたから。そのことを正直に千佳子に話すとすんごく呆れられたけど。 「だからもう何もないって。ただ……10万払って……しかも、月会費は成約するまでかかるんでしょ?」 「そうよ?おまけに成約したら成約料まで取られるわよ」 「うはあ。ボッタクリ」 「馬鹿ね。ビジネスよ。ビジネス。月2万そこらで一生の賭けをするのよ?安いものよ」 そう考えられるなら男前だ。 月2万払って果たしてどれだけ成果があるのか。 「入会して1年以内の交際率が95%だって」 「本当?それこそ怪しいんだけど」 「成婚って言ってないじゃない。交際だから、1年以内に交際して別れても交際率よ」 「なにそれ。ズルイ」 「そんなもんでしょ」
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