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ビー太郎はいつもわたしを庇ってくれた。うちは、兄が二人の末っ子にわたしだ。昔から兄にくっ付いて遊びまわっているうちにいつの間にか柔道を始めていた。
父が道場をしている、ということもあり、兄という目標もあって、わたしはメキメキと頭角を現した。中学校の時は部活後にも自分の道場で練習した。というか、そっちが本番だ。学校の部活なんて正直お遊びみたいなもの。だけど、何かに所属しないといけないから私は柔道部に入った。
「男前って。相変わらずだな、木下。いつも結城構ってるけど、木下は結城がタイプなワケ?」
「マジで?!この間、香織ちゃん振られたって言ってたけど、断然香織ちゃんの方が可愛いじゃん」
いつもビー太郎に突っかかるこいつらは浜坂と植松。正直鬱陶しくて、いつも無視していた。
「あのさ、マジで迷惑。浜坂も植松もそんなに暇なら勉強すれば?この間の数学のテスト31点だったんでしょ?頭の悪い男は女子皆お断りよ!」
「んなんで!知ってるんだよっ!!」
「ってか、お前女子かよ!」
「その目は節穴なの?一回入院すれば?」
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