初恋は実らない

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ビー太郎は本当に鬱陶しそうに眉を潜めた。そして毒舌炸裂。こいつはいつも笑顔で爽やかなフリしてるけど、基本真っ黒だ。何故かわたしといる時はよく毒を吐く。 浜坂と植松は目を吊り上げて怒っていた。顔は赤くなってる。 ついでに言えば、何故、ビー太郎につっかかるかといえば、浜坂は香織ちゃんが好きだった。だけど、「木下くんが好きなの」と言われて玉砕した。植松は幼なじみの女子がビー太郎に夢中だ。ただ、アイドルの様に崇めているだけだけど、植松は面白くないらしい。 「言っておくけど、尾上(香織ちゃん)って超性格悪いぞ。あれを可愛いっていうなら相当頭やばいだろ、お前」 おっっと。いきなりぶっ込んできた、王子様。 この人、時々空気を読まないんだよな。ちょっと残念かも、って思うけどまあ本当のことだし、皆知ってるし。 「ちなみに、俺は何か一生懸命な子の方が好きだ。髪とか弄り回してケバい化粧を一生懸命するよりな」 「それって結城のこと?」 「結城は友達」 な?と聞かれて口いっぱいに入れたご飯を咀嚼しながら頷いた。 グサっと何かが刺さった様な気もするけど、ビー太郎と一番近いこのポジションでいられるならそれでいい。 「こっちだって、ビー太郎の彼女なんて死んでもやだ」 まさか、この当時の気持ちをいつまでも引きずるとは思わなかった。幼い時特有のちょっとした淡い恋心のまま、綺麗な思い出になる、と思っていた。 思っていたのに、現実は甘くない。
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