拗らせ恋の紡ぎ方

12/30
前へ
/565ページ
次へ
さっきまで甘く蕩けていた表情が今は真剣だった。かと言って怒ってるわけじゃない。優しく諭している顔だ。 ビー太郎はちゃんと話したかっただけなのね。 それをどうしたのって。変よって思ってごめんね。 ありがとう。 あのね、エッチは嫌じゃないのよ? 毎日はしんどいし、一度にたくさんするのも辛いの。さっきも言ったけどね。 だからって、ビー太郎を悲しませることはしちゃダメね。 「……ごめんね」 「それは俺の台詞だよ。綾乃にそこまでさせなきゃ気づかなかったんだから」 ビー太郎が「ごめんね」という。 それから「もうこの話は終わり」ってぶり返さないことにしたの。 その日以降、ビー太郎はちゃんと気遣ってくれるようになったわ。きっと彼なりの欲はあるのにわたし優先なのよ。彼のそういう心遣いが嬉しくてまた惚れ直したの。そのせいか、益々二人の仲は良くなって毎日が楽しくなった。 いつも楽しいんだけどね。 でも、なんかこの日がきっかけだったのかなって思うの。
/565ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13318人が本棚に入れています
本棚に追加