拗らせ恋の紡ぎ方

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「馬鹿なの?!もう!!信じらんないっ!!」 投げたクッションが ばふんっ、ばふん!!と音を立ててビー太郎の腕にぶつかった。 彼はクッションを叩き落としながらケラケラと笑っている。 「だってさ。結婚式で参列者が何を期待するかってそこじゃん」 ……ぐっ 「挙式は地元でしたんだし、今こうして綾乃といられるのも皆のおかげだし、期待に応えないと」 「だからっていきなりあれはないでしょ!」 「インパクトを与えるなら頭かなって」 ビー太郎の言う通り披露宴は大盛況だった。 扉が開いて主役が登場したと思ったらスポットライトガンガンで主役ふたりがキスしていたんだから。 母なんかスタンディングオーべーションよ。つられて立ち上がるビー太郎のママもママよね。 挙式はね。 色々考えて神前式にしたの。 ビー太郎と話をして、地元の神社というのもありかなって。親戚には高齢の方もいたからね。それにビー太郎が「白無垢」って言ったのよ。 それなら、挙式は親族と本当に親しい身内だけ、ってことで今朝神社で挙げたのよ。 終わって移動して、準備して、ホテルの大広間で披露宴スタートよ。今度はビー太郎と揉めに揉めたウェディングドレスね。和装も洋装も着れて結果的に良かったわ。 二次会、三次会まで続いてやっと、さっき家に帰ってきたの。皆まだ楽しんでるけどわたし達はフェードアウトよ。 帰ってきてようやく、この王子様に一言いや、二言三言言いたくて言いたくてたまらなかったことを吐き出したの。 当たり前のように寝室に連れ込もうとするビー太郎に抵抗しながらね。(結局出来なかったけど)
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