拗らせ恋の紡ぎ方

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わたしたちの出逢いも 傷付けあった過去も 遠回りして すれ違った時間も きっとすべてが必然だった。 越えられなかった壁を越えようと 何度もトライしてその度に諦めた。 でもやっぱりどこか諦めきれなくて。 躊躇いがちに伸ばされた手に 恐る恐る手を伸ばした。 あなたがその手をしっかり握ってくれたから わたしたちは始まったの。 時には優しく、時には意地悪く だけどいつも大切にしてくれた。 「綾乃、愛してる」 抱きしめあうこの瞬間が 何にも変え難いほど愛おしくて、 あなたの隣に居る今が とても尊いものだと思うの。 どれだけ憎まれ口をたたいても どれだけわたしを驚かせてもいいの。 たくさん喧嘩しても その度に衝突してもいいの。 だってね。 「わたしも、愛してるわ」 きっとこの想いはずっとずっと変わらない。 いくつになっても 一緒に笑って、 時には泣いて、 たくさんの愛を紡いでいく。 手を繋いで、 たまには寄り道しながら わたしたちらしく 愛を紡いでいく。 それがあなたとできるなら。 拗らせすぎた初恋も それでよかったと思えるわ。 「拗らせ恋の紡ぎ方。」 end.
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