おまけ2(御崎side)

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おまけ2(御崎side)

 入社一日目。午前中はしっかり研修後の昼休み。教育係の結城さんと食事に出た。近くにあるうまい飯屋に連れてってくれるという。  「研修、眠くなかった?」  「…寝たらダメなんじゃないですかね?」  「まぁそうね。でも研修ってあんまり楽しくないのよね」 まぁもう少し工夫のしがいはあると思いますが責任者のあなたがそれ言っちゃっていいんですかね。  「だからね、もう少し楽しいものに変えたいのよね。御崎くん、一緒に考えてくれる?」  「…はぁ、まぁ、はい」  「言質はとったわよ?あ、午後からは各部署に紹介して回るからよろしくね!」  結城さんはにっこり笑うと「何食べようかな〜」とワクワクしはじめた。俺より年上らしいのに、いい意味でとても子どもっぽい。少女のようにくるくると表情が変わり、裏表のなさそうな性格にどこか安心した。  きっとこの時からもう、俺の中で彼女は信用できる人で、なんとなく惹かれはじめていたんだ。   5410314d-63a8-4598-978c-b9b187f326fb
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