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『蒼真・・・蒼真は困ってる? 変なモノのが視えたり、変なモノの声が聴こえたり、変なモノに憑きまとわれたりしてるの・・・』
龍鴻様のその問いに俺は悩んだ。
視えるのも聴こえるのも憑きまとわれるのももう慣れた・・・。
はじめこそ、怖かったけれど慣れてしまえばそこまで怖くない。
最近は『ああ・・・今日もか・・・』なんて思っていた。
けれど・・・今日のようなことがあるのは正直、怖い・・・。
『・・・僕なら・・・蒼真に力の使い方を教えられる。それに・・・蒼真、少しは祓うこと、できるでしょ?』
そう言って意地悪く笑んできた龍鴻様に俺は苦く笑み返し、曖昧に『まぁ・・・』と答えて目を伏せた。
祓うことは少しならできる。
けれど、祓っても帰ってくることがほとんどだ・・・。
しかも帰って来たヤツは祓う前よりも禍々しくなっているから困る・・・。
これじゃ『祓い給い。浄め給え』が泣けてくる・・・。
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