海の神様と山の神様。

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海の神様と山の神様。

蒼真(そうま)と共同生活をはじめて一週間とちょっとが過ぎた。 蒼真(そうま)ははじめ私のことを『龍鴻(りゅうこう)様』と呼んでいた。 私に『様』なんて付ける必要、どこにもないのに・・・。 だから私は共同生活をはじめて2日目の夜、私のことは呼び捨てでいいと蒼真(そうま)に告げた。 私にそんなことを言われた蒼真(そうま)は困った顔をしていた。 蒼真(そうま)は真面目だ。 だから私の提案に悩むであろうことはわかっていた。 それでも私は蒼真(そうま)に名前で呼ばれたかった。 『様』なんて大層なものはなしで・・・。 ~・~・~・~ 「あ、龍鴻(りゅうこう)さん、おはようございます」 今日も変わらない朝の挨拶に口元が綻んだ。 「おはよう、蒼真(そうま)。今朝も早いね」 私はそう言って朝食の支度をしている蒼真(そうま)の後ろに行き、そのまま蒼真(そうま)を抱きしめてふぅ~・・・と息を吐き出し、窓から入ってきた心地のいい風待月(かぜまちづき)の薫風に目を細めていた。
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