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横暴な神人類
「は…はぁ…すいません」
ゴツい指輪をした手で叩かれた為、オレの指からは出血していた。時間が経つに連れ、ジンジン痛みが襲って来る。
「では、この端末にガルカードを刺してください」
ちなみにガルとはお金の単位。オレの1ヶ月分の給料とさほど変わらない額を人間の社長に触られたからと言ってクリーニング代に使うコイツに何だかもう、オレの中で悲しみが沸き起こってくる。
決済を済ませるとそれを社長に報告する。
そして試運転のチェックが終わると社長が帰って来た。
「では、クリーニングさせて頂きますね」
「早くしろよ!でも確実に綺麗にしろ。
お前らみたいなゴミが触ったカテリーナ号に高貴な僕が乗るなんて…病気が感染ったらどうする?!」
病原菌扱いされて思わずぽろっと漏らしてしまう。
「…オレの病気は他人には感染りませんよ…」
「あ?何だって?」
「なんでもありません。急ぎますね」
宇宙船の車体は勿論、シートやダストボックスの中まで丹念にクリーニングし、最後に除菌ライトを当てる。
「これでよし…お待たせしました、カナデ様」
オレは宇宙船から飛び降り、カナデ様に当社のご利用のお礼を言おうとしたが、ドンッと肩を当てられそのままカナデ様は宇宙船に乗り込んだ。
「ご、ご利用有難うございました!
只今出船誘導ライトを点けますので!」
「うるさい!勝手に行く!」
ギュンッと勝手に飛び出したカナデ様の宇宙船。
「あっ!!」
しかし、前を、優先飛行している宇宙船にぶつかりそうになる。
「危ない!!」
だが、なんとか相手が避けてくれて衝突事故には至らなかったが…相手の宇宙船はスピンし、こっちに飛んできて軽くぶつかってしまう。
「大丈夫ですか?!」
オレは急いで外に出ると不時着した宇宙船のコックピットに近付く。
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