7月は嫌い

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わたしは、生まれつき、素敵な「個性」が与えられたの。でも、ママはその「個性」について分からない事ばかりで苦労の連続だったね。わたしを初めて診てくれたドクターは、とっても親身になってわたしたちのことを心配してくれたけれど、ママは涙が止まらなかった。「わたしのせい?」って思えて、ごめんねって、つぶやいたわ。ママは、わたしが不幸に思えたの? ドクターは、「産んだお母さんのせいでもないし、家系に問題があるとか、そういうことではないですから、ご自身を責めないでくださいね」そんなこと言ってたよね。まるで、「残念なお子さん」とでも言いたそうに。残念なんかじゃないよ。わたしはわたしとして生まれたんだよ。このまんまがわたしだよ。大丈夫、全然不幸なんかじゃないもん。ママから、そして、みんなからとっても愛されて生きてきたから、世界一しあわせに決まってるよ。でも、今まで伝えられなくてごめんね。今なら、自由にお話しできるから安心して。
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