カフェにて #1

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カフェにて #1

「谷口ってさ。最近大袈裟っていうか、クサいよね。要するに、『いいね』が届いたんでしょ? 普通に喜べばいいじゃん」  カフェのテーブルに置かれたアイスコーヒーの氷が、カランと鳴った。  作品の最初のページを見た親友の(あずさ)の感想は、ストレートだった。 「それと、星と作品の例えだけど、ちょっと強引だよね」     谷口は恥ずかしさで一杯になった。確かに最近、色々書いている内に例えや表現がおかしくなったと思う。 「最近色んな人の作品を見る機会が増えて、影響受けちゃうんだよぉ。とか言いたいんでしょ?」  そう言って梓はコーヒーにミルクを注いだ。言葉とは裏腹に飲むコーヒーはいつもカフェオレだ。  ミルクがコーヒーに溶けていく。 「それはまるで、俺の心模様のように……とか言いたいんだよね?」  谷口は口にしたミルクティーを吐き出しそうになった。梓はそんな仕草を見て笑うと、再び作品を読み始めた。  流石に冒頭から「俺の作品に、やっと星が届いたぜ!」とは書けない。 「これでも一応、色々考えてみた結果なんだよ。少しくらいは感動してもいいじゃん」  必死に訴えるも、反応はなかった。  良かった、ちゃんと読んでいる証拠だ。梓は集中すると周りの音が聞こえない。 テレビを見る時のおっさんみたいだ。
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