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メンバーとの初対面(前編)
圭介君との初デート後は何事も無く、家と仕事の往復で過ぎっていった。
(本当にスカイハイのマネージャーの木元さん、私に会いに来るのかな?ちゃんとお話し出来るかな?)不安に思いながらも、1ヶ月が過ぎた。
いつもの様に仕事が終わり、更衣室で着替えを済ませ、事務所に行くと、円山さんが
「佐川先輩、お疲れ様、さっき後ろにゴミ捨てに行ったら、都会的な格好良い男の方がこちらを見てたんだけど、佐川先輩の彼氏さんですか?」っと聞いてきた。
(ん?圭介君は、私の職場の場所知らないし、もしかして。)っと思い、
「それって何処?」っと聞くと、
「こっちですよ。」っと円山さんが言うので、タイムカードを押して、
「お疲れ様でした。」っと事務所を出て、円山さんの方へ行く。
「佐川先輩あの人ですよ。」っと視線の先には、
(やっぱり。)っと思い。
「木元さん。」っと小声で言うと、私に気がついた、木元さんが軽く会釈した。
「やっぱり、佐川先輩の彼氏さんだったんですか?」って円山さんが、
「違うわよ、彼氏のマネージャーさんよ。」っと返す。
「あっ、そういえば、佐川先輩の彼氏さんって、芸能関係の仕事してるって言ってましたよね、もしかして彼氏さんと何かあったんですか?」っと心配そうに聞く円山さんに。
「別に何も無いから大丈夫だよ。夜の閉め宜しくね、円山さん。お疲れ様。」っと言い、木元さんの方に歩く。
「お疲れ様です。佐川先輩。頑張って下さいね。」っと後ろで言う、円山さんに
(何を私は頑張るんだろう?)っと思いながら、木元さんに、
「こんばんは。お久しぶりです。お仕事お疲れ様です。木元さん。」っと挨拶する。
「お疲れ様です。佐川さん。申し訳ございませんね、職場に来てしまって、御自宅に伺いましたら、今日は、お仕事です。っと言われたので、ご両親に私のお話しをして居たんですね、訪ねた時に、「美穂から話しは聞いています」っと対応されたので。」っと木元さんが聞く。
「はい。圭介君が訪ねて来るかもしれないと言ってたので、突然、知らない男性が私を訪ねて来たらびっくりすると思って。(特にお父さんが)」っと返すと、
「わざわざ気を遣って頂きありがとうございます。お仕事終わりでお疲れの所で申し訳無いんですが、少しお話し出来ますか?」っと木元さんが聞く。
「はい。大丈夫です。」っと言うと、
「では、ここで立ち話って言うのもなんですから、あちらの喫茶店に行きましょうか?」っと言い、私は、木元さんと職場近くの喫茶店へと向かう。
(何聞かれるんだろうと)っとドキドキしながら、木元さんの後ろを歩く。
カランカラーンっとドアが開くと、
「いらっしゃいませ。」っと店員さんが席を案内する。
私は、木元さんと向かい合って座り、
「僕は、コーヒーを。」っと注文し、
「私は、ミルクティーを。(ここのコーヒー美味しいけど空腹では飲めない。)」っと思い一緒に注文する。
「かしこまりました。」っと言い店員さんが下がると、早速木元さんが話し初める。
「それでは、前置きになりますが、基本、私の事務所では、未成年者以外、恋愛について縛りはありませんが、所属タレントのイメージダウンに繋がらないように、男女問わず交遊関係について、社長の方針で身元を調べさせて、頂いております。ましては、スカイハイは、事務所の中では、看板タレントアイドルになりますので、メンバーの交遊関係については、事細かく調べるように言われていまして、それでも高井君の時に色々ありましたので、今回、佐川さんの事は大まかに調べる事にしましたが、ここまでご理解の方はよろしいですか?」っと木元さんが聞く。
「はい。(秀ちゃんの時何があったか、ますます気になる)」っと返事をし思ってると、木元さんがこちらを見ていた。
(今の所は、取り乱す事無く落ちついてますね。まっ、ここからが本番ですが。)っと木元さんは思い、佐川さんの方を見てると、店員さんが来て、
「お待たせしました。」っと言い、注文したコーヒーを木元さんの前に、ミルクティーを私の前に置き、
「ごゆっくりどうぞ。」っと言い店員さんが下がると、木元さんは、コーヒーを口にしたのを見て、私もミルクティーを口にする。
(んー、ミルクティーの甘さがほっとする)っと思い飲んでると、
木元さんから、とんでもない言葉が飛び出した。
「それでですね、佐川さん。実は最初にお会いした時から、疑問に思っていた事がありまして、何故、こんな何処に居るような平凡な女性に戸葉君が夢中になっているのか、不思議で仕方なかったんですよ。」っと言う木元さんに。
「えっ?(一体木元さんは何を言い出すんだろう?)」っと首をかしげた。
「それで、佐川さんの事を調べて、ようやく納得しましたよ。佐川さんは高校生の頃、精神疾患を発症し、クリニックに通ってましたよね?」っと木元さんが聞く。
「はい。あの、やっぱりその事は、スカイハイの活動や圭介君にマイナスになりますか?」っと恐る恐る聞くと、
「いいえ、その事自体は、過去の事ですし、今現在は普通にお仕事をしてるので問題無いと思いますがただ低俗週刊誌が、尾びれにせびれをつけて面白おかしく書く者も居ますので、そんな場合に備えて、社長には報告しときますが、宜しいですか?」っと木元さんが聞く。
「はい。大丈夫です。(圭介君の言った通りだったな)」っと返事し思ってると、
「僕が問題にしてるのは、そこでは無く、佐川さんが戸葉君の事をどう思ってお付き合いしてるからなんですよ。」っと木元さんが言う。
「えっ?(どうって好きだから以外にあるのかな)」っと思い考えてると、
「佐川さんもご存知だと思いますが、戸葉君は「どうぶつ学園」の事件の事を長い間気にしてまして、ずっと心を痛めてました。それを知った佐川さんは、同じ心の病を持っていた事を戸葉君に話して、恋愛心を植え付けさせてお付き合いしてるんじゃないかと思って、戸葉君は、人気急上昇中のスカイハイの一人ですし、彼氏にするには申し分無い方でしょうし、現に戸葉君は、今佐川さんに夢中ですし、もし佐川さんが急に戸葉君の元を離れてしまったりしたら、それこそ、スカイハイや戸葉君に悪影響になりますので、僕はそれを心配してるんですよ。」っと私の顔を見て言う木元さんに困惑した。
(えっと、つまり木元さんは、私が戸葉君がスカイハイの一人だから付き合ってると思ってる訳で、戸葉君に恋愛感情が無いと思われてるみたいで、何で?そうゆう発想になるんだろう?私が何処にでも居るような女性だからかな)っと思い考えてると、前に居る木元さんは、
(あれ?なんか考えこんでる?想定では、「私は、そんな事考えてないわよ。」っと感情的に怒鳴ってくるはずだったんだけど)っと思ってると、少しの沈黙の後、佐川さんが
「あの、木元さん、何か思い違いしてませんか?確かに私は、圭介君が「どうぶつ学園」の事件を気にしてるのを知って、私の精神疾患の事を話しましたが、それは、ただ単に圭介君には、前を向いて欲しかったからなんです。その事で私に好意を持って貰おうなんて思っても居ませんし、私は、その逆で、ずっと精神疾患になってクリニックに通ってる事は話したくない過去なんです。そんな私に圭介君は勇気をもらったって言ってくれたんです。たぶん私は、その時は気がつかなかったんですが、その圭介君の心の優しさや本当は誰よりも強い気持ちに惹かれていたんだと思います。だから、私は、圭介君の側に居て支えになってあげたいし、私も圭介君が頑張ってる姿を見ていたいと思って付き合ってるんです。決して、圭介君がスカイハイの一人だから好きになったんじゃなく、1人の戸葉圭介君を好きになったんです。」っと一気に色々な思いが溢れ、木元さんに話すと、
フッっと笑い、
「やはり、河村じゅんさんが紹介した女性ですね、見た目では、分からない強さが佐川さんにあると思ったんでしょうね。」っと言う木元さんに、
「えっ?なんで河村じゅんさんの紹介って知ってるんですか?」っと聞く。
「戸葉君に聞きましたよ、実はあの河村じゅんさんが紹介した女性に会うのは初めてなので、どんな女性なのか、少し試さて頂きました。」っと言う木元さんに。
「試したって事は、さっきのは本心では無かったって事ですか?」っと聞く。
「ええ、何となくですが、もしかしたらスカイハイの1人として戸葉君と付き合って無いのは、分かってましたが、そう言われた時にどんな反応をするか見て見たかったんです僕的には、感情的に怒る事を予想してたんですが、佐川さんは、しっかり感情を抑えていましたね。」っと言う木元さんに、
「怒るも何も、なんでこんな事言うのかが分からなくて混乱してました。」っと言うと、
「そうでしたか?それは失礼しましたね、佐川さんは、きっと当たり前の事だったんでしょう。戸葉君を1人の男性として、お付き合いしてる事が、本当に失礼な事を言ってしまい申し訳ありませんでした。」っと頭を下げる木元さんに
「いえ、謝らないで下さい。木元さんにちゃんと私が圭介君に対して、どう思って付き合ってるか伝わったなら、それで良いんです。」っと笑顔で言うと、
(素敵な笑顔ですね、何故かその笑顔を見てると、癒されるような、きっと戸葉君もこの笑顔にも惹かれたんでしょう)っと思い、コーヒーを一口飲む。
「それにしても、木元さん、お仕事忙しいと思うのに、わざわざ茨城に来て私に会いに来る事も無かったんだと思いますが、ある程度調べて、私がどんな人か分かっていると思うのに。」っと言うと、
「いいえ、佐川さん、どんなに傷1つ無い経歴をお持ちでも、会ってその方がどんな表情をして、どんな言葉で話すかでしか分からない事も多いので、どんなに忙しくても会うようにしてます。ちなみに今日は、ちゃんと代役を立ててあるので、ご心配はいりませんよ。」っと私を見て言う。
(だから、ずっと私の方を見てお話ししてたんだね)っと納得しながら思い、私もミルクティーを一口飲み、木元さんに聞く。
「木元さんは、いつも、調べた相手に会いに行ってお話しを伺ってるんですか?」
「そうですね、スカイハイの場合は、一般の方には、僕が会いに行ってお話しをします。高井君の彼女にもお会いしましたし。ただ戸葉君の場合は、過去の女性がほとんど芸能関係の女性だったので、心配症のメンバー2人が会いに行く事が多かったですね。」っと返す。
「心配症の2人?もしかして、圭介君ってスカイハイの中では、一番女性とお付き合いしてる数多いですか?」っと思わず気になって木元さんに聞く。
「そうですね、ただ戸葉君は、素直でまっすぐな方ですから、すぐ相手の事を信用してしまいお付き合いしてまう所があり、実際に会いに行って、メンバーが相手の女性にどう思って付き合ってるかっと聞くと、スカイハイのメンバーと友達になりたいとか、戸葉君の事を利用して有名になりたいとか、頭の軽い考えの方が多くて、唯一1人だけ、戸葉君の事をしっかり見てお付き合いをしてた方が居たんですが、たぶん、佐川さんも歌番組で目にする機会が増えたと思いますが今年注目のスラッシュと言うバンドのボーカルの」っと言う木元さんの言葉を遮り私が、
「アリサさんですか?」っと聞く。
「ええ、ご存知だったんですね、まっ、結局あの方も理由は聞いて居ませんが、戸葉君の元を離れてしまい、落ち込む戸葉君に追い打ちをかけるように「どうぶつ学園」の事件が起きたんですよ。」っと言う木元さんに、
(それは、私の前彼氏の事の出来事よりも精神的に最悪だよね)っと思い。
「そうだったんですね、私圭介君に過去お付き合いしてる女性については何も聞いて無いので、そんな事があったら女性嫌いにもなるし、メンバーも又?っと思い心配しますよね。」っと言うと、
「ええ、特にメンバーの心配症の2人は、又同じ事が起きたらと思うとっと言うのも戸葉君の性格が引きずるタイプだからなおさらなんですよね。今過去みたいな状態になったらスカイハイとしても、これからの大切な仕事にも支障きたしますからね。」っとコーヒーを飲みながら言う木元さんがカップを置き、私の方を見て、
「でも佐川さんなら大丈夫な気がします。やっと戸葉君も女性を見る目を養った様で、今度ばかりはメンバーも納得してくれるでしょう。」っと初めて優しい笑顔で言う。
「あのー、メンバーの心配症の2人って一体誰なんですか?」っと聞くと、
「会えば解りますよ。メンバーにもお会いしますよね?」っと聞く。
「えっと、その方が良いんですよね、私達がお付き合い出来たのもメンバーの協力のおかげだし、ちゃんと会ってお礼を言わないといけないし。」っと言うと、
「お礼は、良いとしても、やっぱり会って佐川さんの存在が戸葉君にとってどんな存在なのか分かった方が安心出来ますし、もしかしたら心配症の2人のどちらかが、今日の僕と同じ事を聞くと思いますが。」っと木元さんが私を見て言う。
「そうですね。」っと意を決心言うと、なんか緊張が解けたのか、お腹が空いてきた。
(お腹の虫鳴らないと良いけど)っと思い下を向きお腹の方を見ると、
「あっ、もしかしてお腹空きましたよね、長々と仕事後、お話し申し訳ありませんでした。」っと謝る木元さんに、
「大丈夫です。まだ何とか。」っと笑顔で返すと、木元さんが又々とんでも無い事を言いだした。
「佐川さんのその笑顔を見てると、もう少しお話しをしていたいですが、さすがに今日は、ご両親もご飯を作って家でお待ちですから、今日は、ここまでにして、宜しかったら今回のお詫びに今度、お食事でもいかがですか?」っと聞いてきた。
「えっ、あのそれは、圭介君の許可を頂いてからでお願いします。」っと慌てながら答える。
「クスッ、それはそうですね、失礼しました。それでは、佐川さんの連絡出来るメールアドレスを教えて頂けると助かります。メンバーと会う段取りをしないといけませんし、佐川さんは、一ヶ月のお休みは決まってますか?」っと木元さんが聞く。
「はい。一応、月末に次の一ヶ月のお休みが出ます。」っと答えながらアドレスを見せると、
「分かりました。では、今送ります、アドレスに次のお休みを送って下さい。それを見ながらスケジュールの調整をします。今月が無理な場合は、来月にでも調整しますので、その場合は、再度メールしますので、月末に来月の休みが分かったら又メールして下さい。」っと言いながら、メールを送る。
送られて来たメールを見て、
「分かりました。じゃあ後でこちらのメールにお休みの日を送ります。」っと返す。
「はい。宜しくお願いします。それと登録も忘れずに、これから長い付き合いになるかもしれませんから。」っとニコッと笑い言う。
「あっ、はい。」っと言うと、
「それでは、出ましょうか。」っと伝票を持ちレジに向かう。
「ありがとうございました。」っと店員さんが言い、私と木元さんは外に出る。
「あの、どうもご馳走さまでした。」っとお辞儀をして挨拶をすると、
「いえ、いえ、こちらこそ、仕事終わりに長々とお話しに付き合って頂きありがとうございました。改めまして、戸葉君の事宜しくお願いします。」っと頭を下げる。
「あっ、えっと、はい。」っと返す。
「そういえば、本日、僕と何をお話しをしたか、戸葉君に話すんですよね?僕とのお食事の件もお話ししておいて下さいね。」っと木元さんが言う。
「えっ、あれ本気で言ってたんですか?」っと返すと、
「ええ、たまには女性とお食事をしながらお話しでもしたいと思いまして、なにせ、スカイハイのマネージャーをしてますと、個性的な5人ですから大変でストレスも溜まりまして。佐川さんは、あの河村さんが選んだ素敵な女性ですから、僕とのお話しするのが嫌でなければですが。」っと木元さんが言う。
「あの、嫌では無いですが、木元さん、彼女いないんですか?」っと聞く。
「はい。なかなか仕事が忙しくて、彼女を作ってる暇が無く、戸葉君は仕事が多忙な割には、こんな素敵な彼女を作るのに世の中は不公平ですね。」っとため息混じりに言う木元さんに。
「そうですか、そうですよね、スカイハイのマネージャーは大変ですよね、私で良ければお話し相手になりますが、圭介君の許可を取って下さいね。」っと言うと、
「ありがとうございます。佐川さん。それでは、帰り気をつけて帰って下さい。」っと私の車の近くで言う。
「はい。木元さんも気を付けて帰って下さい。」っと言い車に乗る。
私は、見送る木元さんに、車の中で軽く頭を下げ、家と向かう。
雪はただ静かに まるであなたのように
この肩に 舞い降りて そっと微笑む
手で触れればきっと消えてしまうから このままで
ひとり 目を閉じ あなたを感じる
2日後
スカイハイ所属事務所会議室
俺は、単独の仕事を終え、会議室へと向かう。
(他のメンバーは、マネージャーの車で来てるから、もう来てるのかな?)っと思い、会議室のドアを開け、
「おはようございます。」っと言うと、先に来ていた、
「おはよう。戸葉君、お疲れ様。」っとリーダー、沢本君、秀ちゃんが言う。
「おはよう、圭ちゃん。お疲れ様。ここ空いてるよ。」っと麻宮君が隣の席の椅子を引いて言う。
「ありがとう。麻宮君。あれ?マネージャーは?」っと麻宮君の隣に座って聞く。
「さっき、戸葉君が来る頃又来ますっと言って何処か行ったよ。」っと麻宮君が言う。
「そうか、何だろう?スカイハイにとって大事な話しって。」っと俺が言うと、
「あれじゃないの?決まりそうでなかなか難航してた。」っと麻宮君が言う。
「うーん?あれ決まりそうなのかな?」っと麻宮君と話しをしていると、
「そういえば、戸葉君、マネージャーに聞いたんだけど、戸葉君の彼女、名前何だっけ、会ったんだってね。」っと沢本君が言ってきた。
「俺の彼女は、佐川美穂って言うんだよ。」っと俺が言うと、
「初めて、圭ちゃんの彼女の名前を圭ちゃんから聞いたよ。」っと嬉しそうに麻宮君が言う。
「あっ、ごめん。紹介遅くなって。」っと麻宮君に謝ると、
「良いんだよ。だって圭ちゃんの彼女は一般の方だし、秀ちゃんの事があったから言いずらいのは分かるし。」っと麻宮君が言うのを聞き、秀ちゃんの方を見ると、
「うん。うん。」っと頷いていた。
「それで、その佐川さんの事をマネージャーにどんな感じの娘だったって聞いたら、「そうですね、佐川さんは見た目では、解りませんので会って話した方が人柄は解りますよ。ただ1つ言える事は、さすが河村さんが選んだ女性だと言う事とその河村さんと一緒にお仕事してる戸葉君もやっと女性を見る目を養ってくれた事ですかね」っと言ってたんだけど、マネージャーと何話したか、戸葉君は聞いたんだろう?」っと沢本君が聞いてきた。
「ああ、マネージャーと会ったってライン来て、その日のうちにどんな話ししたか美穂に聞いたよ。」っと俺が答える。
「それで、沢本君が「じゃあ、マネージャーは戸葉君の彼女は合格なんだな。」っと聞いたら、マネージャーが「そうですね、僕的には、佐川さんは、戸葉君の彼女として何の問題は無いんですが、佐川さんが気にしてる事があるみたいで、僕は過去の事なんで問題無いですよっと言ったんですが、詳しくは戸葉君に聞いてみて下さい」っと言ってたんだが、何の事か聞いてる?」っと秀ちゃんが俺に聞く。
「ああ。その事って多分、美穂が高校生の頃、幼い頃に両親の不仲のせいで、心の病を発症して、クリニックに通ってた事だろう。通ってた時に近所の人にも白い目で見られてた事もあって、未だに気にしてるみたいで俺は過去の事だし、今は気にする事無いって言ってるし、マネージャーもとりあえず低俗週刊誌が尾びれにせびれをつけて書くかもしれないから社長には言ったみたいだけど、美穂が気にしてるから、一応皆の意見も聞きたいと思ってる。リーダーは、どう思う?」っと挨拶以外一言も喋ってない、リーダーの方を見て聞く。
「うーん?実際会って無いから、何とも言えないけど、戸葉君の彼女、佐川さん?がクリニックに通ってたからって反対する理由にはならないよ。」っと言うと、
「俺も悟君と同じ意見だよ、圭ちゃんの彼女がクリニックに通ってたって言ってても過去の事で今は通って無くて、普通に仕事して生活してるんでしょう?」って俺に麻宮君が聞く。
「うん。今は、通って無いし、薬も飲んで無い、たまに、ストレスで掻きクセが出る位だよ。」っと俺が答えると、
「そうなんだね、でも大変だったんだろうね、だって高校生の時期って一番楽しい時なんだから。」っと麻宮君が言う。
「うん。それで、秀ちゃんはどう思う?」っと秀ちゃんの方を見る。
「俺は、報道関係の仕事もしてるから、言える事だけど、今は、心の病を抱えてる人は沢山いる。うつやひきこもりなど、だけど、世間の目を気にして、前に進めない人が居て、そして最悪、身内がその子の将来を悲観して、悲惨な事件が起きる。最近そう言う記事を読むと心が痛む、目の前にクリニックっと言う助けてくれる場所があるのに、周りの目が気になって行けないってそれは悲しい事だよ。だから俺は佐川さんの気持ちが解るし、だからこそ俺は、個人的にも気にしないで欲しいっと思ってるから、俺もその事で戸葉君の彼女としては、反対しないよ。後は会ってからかな。」っと俺に言う。
「うん。ありがとう。秀ちゃん。沢本君は?」っと今度は、沢本君の方を見て聞く。
「俺も皆と意見は一緒だよ。クリニックに通ってたからって反対する理由にはならないし、マネージャーの言う通り、もしかしたら低俗記事が面白おかしく書くかもしれないがそんな事は、俺達スカイハイにはダメージにはならないよ。」っと自信満々に言う沢本君に、
(沢本君らしいな)っと思いながら
「ありがとう、沢本君。」っと言うと、隣の麻宮君が、
「圭ちゃんは、佐川さんが、心の病を抱えてそれを克服した姿に惹かれたの?ほら、圭ちゃんも一時似たように病んでたでしょ?」っと聞く。
「確かにそれもあるかもしれないけど、俺はそれだけで美穂に惹かれた訳じゃない。俺は、その話しを聞く前からたぶん、、まっ、会って話ししてみれば美穂の良さは分かるよ。」っと俺が言うと、
「じゃあ、会う準備は進んでるんだな?」っと沢本君が聞く。
「うん。今マネージャーとスケジュール調整してるみたいだよ。」っと俺が言うと、
「楽しみだな。佐川さんに会うの。俺のファンの娘だし。」っと嬉しそうに言う秀ちゃんに、
「秀ちゃん。そこなの?」っと呆れて返すと、そこに、
ガチャっとドアを開け、
「すみません、遅くなりました。っと何か深刻なお話しでもしてましたか?」っとマネージャーが入って来て俺達を見回して聞く。
「いや、俺の彼女の話しをしてただけだよ」っと俺が言う。
「ああ、佐川さんの話しでしたか、丁度良かった、戸葉君例の件、承諾してくれますか?」っとマネージャーが聞く。
「なんで、俺が、マネージャーとはいえ、俺の彼女と、食事に行くのを、承諾するんだよ、マネージャー。」っと強めに俺は言うと、
「何でってだから色々調べてしまったお詫びにお食事に誘っただけですよ、そんな下心なんてありませんよ、戸葉君。」っとマネージャーが返す。
そんな2人のやり取りを聞いていた、麻宮君、沢本君、秀ちゃん、リーダーは、
(マネージャーが、食事の誘い、戸葉君の彼女?)っと疑問符をつけて思ってると、
「えーー、」っと大きな声で麻宮君、沢本君、秀ちゃんが叫ぶ。
「何だよ。急にびっくりしたな。」っと俺が言い、
「本当に何ですか急に叫んだりして。」っとマネージャーが言うと、
「だって、マネージャーが女性を食事に誘うなんて。」っと麻宮君が
「俺、てっきりマネージャーって女性に興味無いと思ってたから。」っと沢本君が、
「何を根拠に僕の事をそう思ってたんですか?麻宮君、沢本君。」っとマネージャーが言うと、
「だって、あのマネージャーの無機質な何も無い部屋、あの部屋は女性を誘う部屋じゃないだろう。」っと秀ちゃんが言うと
「うん、うん。」っと麻宮君と沢本君も頷く。
「あのー、高井君、部屋と言うのは、女性を誘うものだけじゃないんですよ、自分が寛げる空間を言うんですよ、僕は、色々物を置くのが嫌いなので、あんな部屋になっただけで、それが女性の事でそう思われるとは、心外ですね。」っとマネージャーが言うと、
「そうだったんだ、マネージャー。」っと俺が言うと、
「戸葉君、君もそう思ってたんですか。」っと俺を見ながら呆れながら言うと、リーダーが、
「マネージャーだって、男性が多い職場に居るし、俺達スカイハイの多忙なスケジュールの管理とかして大変なんだから、たまには女性と食事して息抜きしたいんだと俺は思うけど。」っと言った。
「川野君、リーダーらしい、大人の発言ありがとうございます。」っとマネージャーがリーダーにお礼を言う。
「だけどさ、確かにマネージャーには大変な思いさせてるから、息抜きしたいのは分かるけど、なんで俺の彼女なわけ?」っとぼやきながら言うと、
「それだけ、戸葉君の彼女は魅力的だって事で彼氏としては嬉しい事じゃないの?」っとリーダーが言うが、
「えー。」っと俺は不満そうに言う。
「そう言えば、リーダーってマネージャーの部屋見た事ある?」っと秀ちゃんが聞く。
「無いな、俺。」っとリーダーが返す。
「じゃあ、1回、マネージャーの部屋てみな、俺達がさっき言った事に納得するから。」っと沢本君が言うと、
「僕の部屋は見せ物じゃありませんよ。まったく、まっ、佐川さんの件は1回保留にしておきますから。又戸葉君考えておいて下さい。」っとマネージャーが俺の方を見て言うが、
「絶対、許可しない。」っと呟くように言うと、
「相変わらず、心狭いな、戸葉君は。」っと沢本君が言う。
「うるさい。」っと俺は沢本君に言うと、間に居た、麻宮君が。
「もう、2人供喧嘩しないでよ。」っと少し笑いながら言う。
「さて、それでは、本題に入りますか。」っとマネージャーが俺達の前に座り言う。
「実は、前々から計画にありました、アジアツアーが再来年に正式に決まりました。」っとマネージャーからの発言に、
「おー、やった。」っとメンバー全員が嬉しい声を上げる。
「それに辺り、これから、ツアーの場所など細かい事を決めたいと思い、スカイハイのメンバーからも色々意見を聞いていこうと思いまして。」っとマネージャーが言い、俺達は、待ちに待ったアジアツアーの話しに心踊らせながら、話し合いは夜まで続いた。
11月上旬メンバーとの初対面の日
目覚ましが鳴る前に目が覚めた朝
(緊張と不安でいっぱいで眠り浅かったな)っと思い、布団から起き、ふとカレンダーを見ると、今日の日付に赤丸で、メンバーと食事。っと書いてある。
「いよいよ、この時が来たよ。」っと1人事のように呟く。
「美穂、起きたなら、下降りて来なさいよ。」っといつものように、お母さんの声が響く。
「はーい。」っと言い、着替えて下に降りる。
朝食を終え、2階の部屋に戻ると、圭介君からラインが来ていた。
「おはよう。美穂、ちゃんと寝れたかな?今日、お昼頃上野駅のいつもの場所で待ってるから。」っと入っていたので、
「おはよう。圭介君。正直緊張して、眠り浅かったけど、大丈夫だよ。上野駅に着いたらラインするね。」っと返すと、すぐに返信来て、
「美穂、本当に大丈夫?電車乗り過ごさないように気をつけてね、ライン待ってるからね。」っと入ってきた。
圭介君とのラインを終え、前日、里穂と選んだワンピースを着て、いつもより念入りに化粧をしてると、ピコーンっとラインが、
(誰だろう?)っと思って見ると。
「美穂、おはよう。今日は、いよいよメンバーとの初対面、美穂らしくいつも通りにしてれば、メンバーもきっと認めてくれるから自信持ってね。麻宮君に会ったらサインありがとうって言っておいてね。」っと里穂から応援メッセージが、
(持つべきものは、親友だね。やっぱり一番心強い)っと思い、
「里穂、ありがとう。私らしくメンバーと会って来るね。麻宮君にも言っておくね。」っと返し、メイクの続きをする。
「行ってきます。お母さん。」っと言い玄関から出る。
「美穂、行ってらっしゃい。美穂なら大丈夫だから、自信持ってね。戸葉君とメンバーにも宜しくね。」っとお母さんが言う。
(お母さんには、昨日の夜に今日の事は伝えてあった。)
「うん。行ってきます。」っと言い、車に乗り、駅に向かい、車をいつもの通り月極め駐車場に停めて、電車に乗り、圭介君が待つ東京へと向かう。
上野駅に着く前に圭介君にラインを入れ、電車を降り、圭介君の車の待つ場所に向かう。
美穂からラインが来て、美穂が来るのを待つと、ワンピースにショートブーツ姿の美穂の姿が前から見えた。
(美穂、今日も可愛いな。ん?あれ?なんか化粧いつもより濃くないかな?)っと近づいてくる美穂を見て思う。
「圭介君。おはよう。お待たせ。」っと美穂が俺の車の助手席に乗ってきた。
「美穂、おはよう。」っと言い、美穂を見ると(やっぱり、いつもより化粧濃いな)っと思い、
「美穂、今日ちょっと化粧濃くない?」っと俺が聞くと、
「えっ?そうかな?確かにいつもより念入りに化粧したけど。」っと言い、バックからコンパクトを取りだした。
「うん。特にアイラインが強いかな?確かにメンバーに会うから、きちんとしたい気持ちは分かるけど、俺は、いつものありのままの美穂を見てもらいたい、美穂は、素顔が綺麗なんだから、そんなに化粧しなくても良いよ。」っと俺が言うと、
「分かった。ちょっと待って1回落として付け直す。(せっかく里穂に大人メイク教えてもらったのに)」っとがっかりした声で言い、持っていたメイク落としシートで落とし、アイメイクを薄く入れようとすると、
「ちょっと待って、美穂、この色だったら指でぼかした方が綺麗になる。美穂目つむって。」っと言い俺は、美穂のまぶたに指でぼかすように入れる。
「美穂、まつげ長いんだな、まつげ液も落として良いかな?そのままでもインパクトあるから大丈夫だから。」っと言い、メイク落としでまつげ液を落とし、そのままビューラーでまつげをカールした。
「よし、こんな感じかな?あと口紅にも色は良いけど、塗り過ぎだから、1回薄く塗って、グロスあったら入れれば良いと思うよ。」っと美穂に口紅も塗り直させた。
「これで良い?圭介君。」っと聞く美穂に。
「うん。良いよ。俺やっぱり美穂はナチュラルな感じが良いから、せっかく美穂は、大人な感じにしようとしてくれたんだけど、俺は、やっぱりこっちの美穂が好きだよ。」っと俺が笑顔で言うと、
(そんな笑顔で言われたら何も言えないよ、圭介君ったらずるいな)っと思い、
「うん。圭介君がこっちが良いならこれからは、こんな感じのメイクにするね。」っと笑顔で返す。
「うん。まっ、俺としては、美穂の場合素っぴんでも問題無いけど。」っとボソッと俺が言うと、聞こえてたのか、
「それは、無理。」っと美穂が言った。
「じゃあ、メンバー待ってますから、行きますか。」っと俺が言い、車を走らせた。
1時間位、圭介君の車は都内を走っていて、車の中で圭介君と色々話しをしていたが、そんな話しの内容も残らない位、緊張していた。
「そろそろ、着くよ。美穂。」っと圭介君が言うと、一気に緊張がMAXに。
「う、うん。」っと言い、外を見ると高そうな和食のお店が、その前にワンボックスカーが停まっていた。
(あの車確か)っと思ってると、圭介君がその後ろに停め、
「おはよう。マネージャー。」っと車を降り声を掛けると、マネージャーが降り、
「おはようございます。戸葉君、車裏に駐車場があるので、そこに停めて下さい。」っと言ってきたので、圭介君が車に戻り、
「美穂、俺車停めて来るから、一旦降りて待ってて。」っと言った。
「うん。」っと言って降りて、圭介君が車を駐車場へと走らせた。
車を見送り、木元さんの方へと行き。
「木元さん。おはようございます。」っと挨拶をする。
「佐川さん。おはようございます。今日は、この間とは雰囲気が違いますね、大人っぽい感じがします。」って言うと、
「この間の時は、仕事後だったし、ほぼ薄化粧でしたから。」っと言うと、
「僕としては、あの時の方が良かったですけど。」っと言ってきた。
「木元さんもですか?さっき圭介君に化粧が濃いって直されたんですよ。やっぱり私は薄化粧の方が良いのかな?」っと言うと、
「そうですね、僕も薄化粧の方が佐川さんらしくて良いですよ、ですから僕との食事も薄化粧で来て下さいね。」っと言う木元さんに
「あの、まだ食事の件は、保留ですよね?」っと聞くと、
「ええ、戸葉君がまだ了承してくれませんからね。」っとがっかりした声で言う木元さんに。
「クスッ、圭介君らしいですね。」っと笑って答えると、
「本当にね。」っと少し笑って返す木元さんと話しをしてると。
「美穂、おまたせ。行くぞ。」っとちょっと不機嫌な圭介君が言う。
「うん?」っと言うと、
「戸葉君、今日は、2階の座敷に、僕の名前で予約してありますので、受付で言って下さいね。」っとマネージャーが言うと。
「分かったよ。マネージャー。行って来るよ。」っと私の手を取って、お店に入る圭介君に、私は、木元さんに一礼してから後にした。
圭介君は、受付でマネージャーの名前を言い、店員さんに案内され歩く。
「ねぇ、美穂、さっき楽しそうにマネージャーと何話してたの?」っと歩きながら聞いて来る。
「えっ?」(ちょっと不機嫌な理由ってこれね)っと思い、
「私の今日の化粧の話しよ、木元さんも僕も薄化粧の方が良いと思いますよっと言われたの。」っと2階の階段を上がりながら言うと、
「ふーん。」っと面白くなさそうに返す、圭介君。
「こちらでございます」っと奥の部屋を案内する店員さんに。
「ありがとうございます」っと言い、入って行こうとする圭介君に、
「ちょっと、待って。深呼吸する。」っと立ち止まり言うと、
「クスッ、大丈夫だよ、美穂、メンバーは良い奴ばかりだから。」っと少し笑って言う圭介君が座敷の襖を開け、
「お待たせ、遅くなってごめん。」っと言い、
「美穂。」っと私を呼ぶ。
いざっと入ると、入った瞬間、メンバーのオーラが凄くて、足がすくみそうになり、少し緊張しながら、
「初めまして、佐川美穂です。」っと挨拶をすると、
(俺好みの可愛い系の娘)っとリーダーが、
(普通)っと高井君が
(中の下)っと沢本君が
(想像してた感じの娘)っと麻宮君が、それぞれ思い、私の方をメンバーが見ていた。
(なんか、物凄い視線なんだけど)っと圧を感じてると、
「美穂、こっち」っと圭介君が言い、隣に呼ぶ。
「うん。」っと言い圭介君の横に行こうとすると、
「おーい、皆、自己紹介は?」っと座っていた圭介君が言うと、一番奥に座ってたリーダーが、
「では、新ためまして、初めまして、佐川さん、スカイハイリーダーの川野悟です。宜しくお願いします。」っと言い、私は、圭介君の横に座り、リーダーを見て、お辞儀をする。
「続きまして、サブリーダーの高井秀一です。佐川さん、宜しくです。」っと私を見て言う高井君にお辞儀をする。
「スカイハイまとめ役の沢本篤です。どうも宜しくです。」っとちょっとそっけなく言う沢本君にもお辞儀をする。
「スカイハイの癒し系の麻宮貴史です。佐川さん、宜しくお願いしますね。」っとニコニコしながら私に言う、麻宮君にお辞儀しながら(麻宮君って間近で見るとなんか雰囲気がで癒されるかも)っと思ってると、
「さて、自己紹介も済んだ所でご飯頼みますか。」っと圭介君が言うと、前に居た沢本君が
「やっとかよ、戸葉君が来るの遅いから腹減ったぞ。」っと文句言い、
「仕方ないだろう、意外と道路混んでたし。」っと圭介君が。
「篤君、お腹空くとイライラするから、圭ちゃんもでしょ。」っと麻宮君が言うのを聞き、
(あっ、里穂に聞いてたけど、本当に麻宮君ってプライベートでは、メンバーは名前呼びなんだ、圭介君は、圭ちゃんって呼ばれてるし)っと思ってると。
「俺、沢本君ほどイライラしないし。」っと圭介君が、
「えー、そうかな、あっ、悟君もお昼食べるでしょ?」っと麻宮君が後ろに居るリーダーに声を掛ける。
「うん。食べるよ。」っとリーダーが言う。
そんな楽しそうに話すメンバーの姿を目で追いながら見てると、
「おーい、戸葉君、彼女忘れてるぞ。」っと高井君が、圭介君に声を掛ける。
「あっ、ごめん。美穂、つい、メンバーとおしゃべりに夢中になって。」っと圭介君が私に言う。
「ううん。テレビでもプライベートでも本当にスカイハイのメンバーは仲良しなんだね」っと笑顔で言うと、
(おっ、笑顔も俺の好みのタイプ)っとリーダーが、
(佐川さん、笑顔可愛い)っと麻宮君と高井君が、
(中の上になった)っと沢本君が思ってると、
(やばい、美穂の笑顔で一瞬メンバーがライバルになった)っと俺は、その様子を見て思ってると、美穂が俺を見てニコッと笑った。
フッっと俺は、優しく笑い返し、
(美穂の笑顔は特別だから、仕方ないか)っと思った。
そんな圭介君を見ていた、高井君が、
「おい、麻宮君、今見た?戸葉君の顔。」っと隣の麻宮君に、
「見たよ、圭ちゃんのあんな優しい笑顔、俺この業界から入ってからの長い付き合いだけど、初めてだよ。」っと言い、
「俺なんか、麻宮君より長い付き合いだけど、戸葉君のあんな優しい笑顔を見たの初めてだよ。」っと言い、麻宮君、高井君は圭介君の方を見る。
(あれ?なんか、麻宮君と高井君、圭介君の方じーっと見ていない?)っと思ってると、圭介君も気がついたのか、
「何?麻宮君、秀ちゃん、俺の顔に何かついてる?」っと聞くと、
「別に」っと麻宮君と高井君が一緒に言う。
「そうならいいけど、美穂何食べる?」っと私にメニューを見せる。
(げっ、何この高い金額、お昼のランチに千円以上ってあり得ない)っと思ってると、
「あっ、美穂ここの代金、経費で落とすみたいだよ、接待代として、だから、何でも好きな物頼んでいいみたいだよ。」っと言う圭介君に
(接待代って確かにそうだよね)っと納得しながら、
「じゃあ、このレディースセットにしようかな?デザートも付いてるし。」っと言うと
「俺は、どうしようかな?ねぇ、秀ちゃんここ来た事あるんだよね?ご飯大盛出来る?俺今日お腹減って、こういうお店ってご飯少ないし。」っと秀ちゃんに聞く。
「俺、彼女と夕食食べに来た時、ご飯言ったら多めにしてくれたから、昼も言えば、多めにしてくれるんじゃない?」っと高井君が答えるのを聞いて、
(えー、秀ちゃんこんな高そうなお店に夜彼女来た事あるんだいいな。)っと思ってると、私が何思ってるか察したのか、
「美穂。」っと強めの言葉で私を呼ぶ。
(あっ、いけない。圭介君が居る時は、秀ちゃんの事考えちゃいけないんだった)と思い、
「ごめん。」っと謝ると、すぐに機嫌を直し、
「じゃあ、俺、このランチでご飯大盛にして貰おうと、皆決まった?」っといつもの口調で圭介君が言うと、
「うん。決まったよ、悟君も決まった?」っと聞く。
「うん。俺この魚ランチ。」っと言い、
「俺も決まったよ。」っと高井君、沢本君が言い、店員さんを呼び注文する。
注文が終わり、私は軽く圭介君とおしゃべりをしていた、その様子を見ていた、高井君が、
(なんか、こうして見るとなかなかお似合いだよな。戸葉君も俺にやきもち焼きながらも楽しそうだし。でもこんな普通な娘にどんな魅力あるんだろう。)っと思い私の方を見て居て、他の3人も不思議そうに、私の方をじーっと見ていた。
その視線を感じていた、私と圭介君。
「なんか美穂に質問とかありそうだな。ご飯来るまで時間あるから、順に聞きたい事聞いたら、なっ、美穂。」っと私の方を見て圭介君が言うのを聞き。
「うん。いいよ。」っと返事すると、
「はい。」っとまさかの後ろに居たリーダーが手を上げた。
「えっ?」っと圭介君も含めたメンバー全員がリーダーの方を見る。
「リーダー、珍しいな」っと沢本君が言うと、
「だって、佐川さんって俺の女性のタイプの娘だから」っと言うと、メンバー全員が
「えー、」っと声を上げる。
「リーダーってこういう可愛い系のタイプが好みだったんだね。」っと高井君が意外そうに言う。
「確か、前にどんな女性が好みって聞いた事あったけど、タイプまでは、聞いて無かったけど。」っと沢本君が、
「うん。だから、佐川さん。隣良いかな?」っと空いてる隣を見てリーダーが聞く。
「どうぞ。」っと言うと、
「ありがとう。あっ、美穂ちゃんって呼んで言いかな?俺の事は、悟君って呼んでも良いから。」っと言うリーダーに、
「えっ?」っと返すと、
「だめー、美穂が男で名前を呼ぶのは、彼氏の俺だけ、リーダーでも絶対に駄目」っと隣の圭介君が言うと。
「おい、おい、」っと沢本君が呆れながら呟く。
「えー、じゃあ、苗字でも良いけど、さん付けだと。なんかな。」っと言うと、
「じゃあ、川野君かな?でも私の方をが年下だけど、良いのかな?」っと私が言うと、
「いいよ、いいよ。」っとリーダーが嬉しそうに言う。
「なんか、今日のリーダーいつもと全然違うな」っと高井君が言うと、隣の麻宮君が
「うん。うん。」っと頷く。
「それで、美穂ちゃんは、趣味は何?」っと川野君が聞く、
「えっと、料理に手芸に読書に音楽鑑賞や映画鑑賞とかかな?」っと話すと、
「けっこう、多趣味なんだね。」っと聞く。
「うん。私興味がある物には、何でも手を出して、飽きたらすぐ止めるタイプなんだよね。」っと言うと、
「じゃあ、釣りは興味無い?」っと聞いてきた。
「釣りね、私の地元が那珂湊だから良く海釣りやってる人を見るし、会社の人もやっている人も居るけど、私はあんまりやらないな。」っと答えると、
「美穂ちゃんの住まい、茨城とは聞いてたけど、那珂湊だったんだね、俺も何回か行ってるけど、今度一緒に海釣りしない?楽しいよ。」っと言われ、
「あっ、そういえば、圭介君に聞いたけど、確か、川野君って釣りが趣味で魚に詳しいって言ってたけど。」っと言うと、
「美穂、その話しをリーダーにするな。」っと圭介君に言われたが、
「そうなんだよ、美穂ちゃん魚好きなの?俺、釣りの影響で魚に詳しくて、魚の生態とか、今どんな魚が旬とか、ちなみに今採れる魚は。」っといきなり魚の話しを初める川野君に、
「スイッチ入っちゃったよ、悟君。」っと麻宮君が。
「このままだと、俺達が質問する時間無くなるぞ。」っと高井君が言うのを聞いて。
「えっと、川野君、その話し又後でゆっくり聞くから今はもう止めてもらって良いかな?」っと私が言うと、
「本当、美穂ちゃん」っと嬉しそうに言う。
「おっ、止まった。」っと沢本君が呟く。
「嬉しいな。良かったら今度那珂湊で一緒に海釣りでもしながら、お魚の話し聞いて貰おうかな」っと嬉しそうに言う川野君に、
「なんで、リーダーが俺の彼女をデートに誘ってるんだよ。」っと不満そうに圭介君が言う。
「ん?じゃあ、戸葉君も一緒に行こうよ。」っと川野君が、
「俺、リーダーの魚の話しは聞かないからな」っと圭介君が
「いいよ、美穂ちゃんに聞いて貰うから、ねっ、美穂ちゃん」っと私を見て川野君が言う。
「う、うん。」っと戸惑いながら答える。
「美穂、リーダーの魚の話しはとにかく長いから覚悟して聞けよ。」っと圭介君が言うので、
「そうなの?」っと周りのメンバーを見ると、
「うん。うん。」っと全員が頷いていた。
(皆。経験者だったんだね)っと思いながら
「喋るBGMだと思って聞き流しておくから大丈夫だよ。それにそれだけ夢中になれる趣味があるのは、良い事だと思うし。」っと言うと、
「確かにそうだけど、仕事でももう少し喋ってくれたら、有難いんだけど、リーダーなんだから。」って圭介君が言うのを聞き、
「でも、川野君がリーダーだから、スカイハイなんでしょ。」っと言うと、何故か周りの空気が止まった?っと思ってると、
「ありがとう、美穂ちゃん。」っと隣の川野君が言う。
「いえ?どういたしまして。」っと返事したが、何でお礼言われてるか分からなかった。
(やっぱり、この娘は、これまで会った女性とは、違う)っと川野君は、隣の美穂ちゃんを見て思う。
「じゃあ、次は、俺が質問するよ。」っと麻宮君が言う。
「俺、圭ちゃんがメル友だった頃から佐川さんの事知ってるから今日初めて会った感じがしないんだよね、だから、俺も気軽に美穂ちゃんっと呼ぶから俺の事も麻宮君で良いから。」っと私を見て言う麻宮君に。
「うん。あの、麻宮君、親友の里穂がサインありがとうって言ってたので。」っと言うと、
「本当に?嬉しいな。」っと麻宮が言うと、
「サインなんて、いつ貰ったんだ?」っと沢本君が聞く。
「俺が美穂に里穂ちゃんを紹介された時に、麻宮君のファンだって言ってたから、付き合う前に色々迷惑かけたお詫びに麻宮君に頼んで貰ったんだよ。」っと圭介君が答えると、
「ふーん。そうなんだ」っと沢本君が少し不満そうに言う。
「美穂ちゃん、里穂ちゃんとは、どの位の付き合いなの?」っと麻宮君が聞いてきた。
「里穂とは、家が近所で小中高とも一緒で幼なじみだから付き合いは長いよ。」っと言うと、
「そうなんだね、そう言えば、圭ちゃんとは、メル友の時は、どんな話ししてたの?圭ちゃんに聞いても教えてくれないし。」っと麻宮君が聞く。
「どんなって日常の話しかな。今日スカイハイの誰とどうしたとか、私の1日のお話しとかだよね?」っと圭介君を見て言うと、
「うん。そんな感じだよ。」っと圭介君が言うのを聞き、
「そうなんだ、圭ちゃんの第一印象ってどんな感じだった?」っと麻宮君が聞く。
「そうだね、その時は事情は分からなかったけど、なんかあんまり女性とは関わりたく無い感じがして、話しずらいかなっと思ってたけど、いざお話ししてみると、お話ししやすくて気さくな方だなと思ったかな?」っと言うと、
「へぇ、そう言う風に思ってたんだ。」っと1人事のように隣で呟く圭介君。
「じゃあ、圭ちゃんの今の仕事って美穂ちゃんから見てどう思う?」っと麻宮君が聞いた。
「えっ?(麻宮君って雰囲気には似合わず難しい質問サラッとしてくるな)」っと思いながら、
「うーん?圭介君が楽しく仕事してるから私から見ては良いと思うよ、ほら、仕事ってどんな職種でも楽しかったり、やりがいがあった方が良いと思うし、圭介君は今の仕事のどんな仕事も真面目に自分が楽しいと思ってやってるから、このまま圭介君らしく続けて欲しいと思ってるよ。」っと言うと、
「美穂。」っと嬉しそうに圭介君が呟く。
(やっぱり、美穂ちゃんは、圭ちゃんの事を普通の一般の男性と見てるんだ。俺は、てっきり華やかで良いなとか特別な仕事として見てると思ってたのに、正直こんな女性が本当に居るなんて驚いた)っと美穂ちゃんを見ながら、麻宮君は思ってると、
「麻宮君は、今の仕事楽しい?」っと美穂ちゃんからのまさかの質問返しが。
「うん。もちろんだよ。俳優の仕事も、なによりスカイの皆と一緒にやる仕事は一番楽しいよ。美穂ちゃんは何の仕事してるんだっけ?楽しい?」っと麻宮君が聞く。
「私は、ホームセンターの販売員だけど、正直楽しいとは言えない、十人十色の人を接客してるから、良いお客さんも入れば、悪いお客さんも居るから。」っと言うと、
「確かに最近は、モンスター客が増えて、接客業泣かせらしいからな。」っと高井君が言う。
「うん。でも、お客さんに「ありがとう」とか「いつもこうしてくれて助かります」とかのお褒めの言葉を頂いた時は、嬉しいし、又頑張ろうと思うから。やりがいは感じる仕事かな。」っと言うと、
「そっか、じゃあ、そんな頑張ってお仕事してる美穂ちゃんの姿を今度お忍びで見に行こうかな」っととんでも無い事を麻宮君が言うのを聞き、
「えっ?」っと驚くと、
「麻宮君、今とんでも無い事をサラッと言わなかったか?」っと圭介君が言うと、
「そう?だって、圭ちゃんがお仕事頑張ってる姿を美穂ちゃんはいつも見てるけど、圭ちゃんは、美穂ちゃんがお仕事頑張ってる姿見て無いでしょう?やっぱり1回位を見てみたいと思わない彼氏として。」っと麻宮君が圭介君に言うのを聞き、私を見る、圭介君に、私は首を横に振り、だめ、だめの合図を送ったが、
「美穂、後で職場の場所教えて。」っと圭介君に言われた。
「うん。俺も圭ちゃんと一緒に覗きに行くからね。」っと麻宮君が嬉しそうに言うのを聞き、
(本気で来そうで怖い。大丈夫かな)っと心配そうに思う。
「じゃあ、次は俺が質問しようかな?佐川さんは、俺のファンだから、俺も美穂ちゃんって呼ぶから、俺の事も秀ちゃんって呼んで良いから。」っと高井君が言うのを聞き、圭介君の方を見ると、
「別にいいけど」っと不機嫌そうに私に言う。
「うん。あの、この前は、サイン入りのポスターありがとうございます。」っと私は秀ちゃんに言うと、
「いいよ、美穂ちゃんが気にいってくれたなら嬉しいよ、あっ、でも戸葉君やきもちやきだから部屋に飾れないでしょ、どう、こんな性格の戸葉君と付き合ってて疲れない?」っとまさかの質問が、
「正直、うっとうしいと思う事もあるけど、そんな性格も圭介君だからっと思って受け入れてるから、付き合ってて疲れる事は無いよ。」っと答えると、
「本当?美穂ちゃん、だって、お人好しで優しすぎて、よく騙されるし、女心が分からない鈍感だし、その上束縛並みの独占欲だろう、どう考えてもマイナスだらけで、俺なら付き合いたいと思わないけどな。」っとまさかの秀ちゃんの言葉に、
(なんで、戸葉君と親友なのにそんな事言うんだろう)っと思い
「人の性格ってどう思うかは人それぞれだと思う、私も親友が居るから分かる事で、里穂の事を他の友達は悪く言う人も居るけど、私にはそうは思わなかったりする事と同じで、圭介君のそのマイナスの性格を全部とは言わないけど、私は、マイナスとは思って無くて圭介君の個性だと思いプラスと見て居る、秀ちゃんだって本当はそう思ってるんじゃないの?だって親友でしょう?」っと返すと、
「参ったな、美穂ちゃんって戸葉君と似てて真っ直ぐな性格なんだね、だから、戸葉君と同じ心の病で共感出来たのかな?」っと言う秀ちゃんに
「ちょっと、秀ちゃん、ストレート過ぎだよ。」っと麻宮君が制止する。
「大丈夫だよ、麻宮君、圭介君に、私が心の病にかかってた事は、話したって聞いたし、でも、圭介君と私の事情は違うから同じ心の病でも共有の方が近いかな?確かに圭介君と性格が似てる所はあるし、確かに同じ心の病がきっかけかも知れないけど、それだけで、圭介君と付き合おうと思っただけじゃないよ。」っときっぱり言うと、
「ふーん。そうなんだ。」っとまだ納得して無いように秀ちゃんが言う。
(やっぱり、メンバーの心配症の2人のうちの1人は秀ちゃんだね、木元さんと同じく心の病の事を気にしてるから、そうなると、あと1人は、今日ほとんど喋って無いあの人)っと思ってると、
「お待たせしました。」っと食事が運ばれて来た。
(あー、あー、あと少し、美穂ちゃんに突っ込んで聞きたかったけど、後は、沢本君に任せるか)っと秀ちゃんが思い、
「おっ、やっとご飯来たよ。」っと秀ちゃんが言う。
「ご飯来たから、沢本君の美穂への質問は、ご飯の後だな。」っと圭介君が言うと、
「当たり前だろう、腹減ってたら、真面目な話しも出来ないよ。」っと沢本君が言うのを聞き、沢本君の方を見ると、目があったがふぃっと直ぐに逸らされた。
(えっ、もしかして、私沢本君に嫌われてる)っと思い不安になる私に、
「はい。美穂、レディースセットだよ。」っと圭介君が私の前に美味しそうな和食のお膳を置く。
「わぁ、美味しそう」っと言ったが、正直沢本君の事が気になって、味分からないかもと言う私の不安をよそに、メンバー全員の前にお膳が並び、
「頂きます。」っと全員で言い、初めてのスカイハイメンバーとの昼食が始まる。
後編と続く。
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