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「なんですか。」
「朝早くにすいませんね。実は上の階で水漏れがあったもんで、もしかしたら青柳さんの所まで浸水してるとまずいんで、確認の為にお邪魔したんですわ。」
「はあ、ないと思いますけど。」
「そうですか。ですがね、念のため我々も確認したいんですわ。お時間は取らせませんから。ね?」
「まあ、いいですけど。」
「じゃあ、上がらせてもらいます。」
部屋に戻ると机の上には、かじったトーストとサバの缶詰があった。僕は途端に恥ずかしくなった。
「お食事中でしたか。申し訳ないことしましたね。」
「いや別に。」
「すぐ帰りますんで。まずは天袋から見させてもらいますわ。」
そういうと男は確認を始めた。
「ここは大丈夫そうですわ。次はあっちですね。いやね、みんなこんなとこ普段見ないでしょ。だからね、荷物が濡れてても解らんのですよ。」
「なさそうですね。いやあ失礼しました。」
「そうですか、もしこの後、水が漏れてきたらどうすればいいんですか。」
「ああ、そうですね、そうしたらウチに連絡下さい。」
男はそういうと一枚の紙を出してきた。それは水道屋のチラシだった。
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