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最近ヤケに肩が凝る、首が重くて痛いとぼやくクセにコイツは片時もスマホを手放さない。
「じゃあさ、ウチで飲もうゼ。ついでにマッサージしてやる。オレ、上手いよ?」
「いいねー」
と、我ながら実に分かりやすいオレの誘いに乗ってきた時も、画面に目を落としたままだった。
LINEとかじゃなくて、ただのゲームだったので安心した。
スマホに見入るコイツの横顔の、細められた目元が密かなお気に入りだったりする。
――スッキリとしていてとてもカッコいいと思う。
オレは何故か「カワイイ~」と言われることが多いので、羨ましさ半分だった。
相当酒が入っていたとしても実にアッサリと、コイツはオレに背中を向けた。
首の根元から始まり、肩甲骨周りをもみほぐしている時は、
「あーソコソコ、うぅぅ~気持ちいいぃーホント、オマエ上手いわぁ・・・・・・」
と、思わず録音しときゃヨカッタ!と後悔するようないい声を出していたのに、背筋を真ん中まで下りたところでパッタリと止んだ。
「?」
左向きにうつぶせられた顔を覗き込むと――、おもいっきり寝ていた。
「・・・・・・」
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