廃村とロケット

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 土砂崩れがあったとされる場所は復旧されているようで他の道に合流する形で寺院へと繋がっていた。  そのため、今日はミチルの記憶を頼りに正確に場所を絞り出す予定だったのだが……それらしきものは一切見当たらず。  結局、収穫無きままホテルへ戻ることになってしまった。 ☆  ホテルの一室、テーブルに資料が並べられる前でエミルはため息混じりに 「マジかよ、なんでこんな探してんのに見つかんないんだ……」  スズは資料をまとめながら 「そうね。小道にも入って散々探したのに……」  アリスは手元の地図をいっぱいに広げ 「あれ……寺院って裏手の道合わせると3つも道あるんだねぇ。今日行ったっけ?」 「何言ってんだよ2本しかないだろ。こことここ」  とエミルは首を傾げ自分の地図を手に指差す。そこで急に 「そうだっ!」  とハルキが声を上げた。皆は一斉に驚き、スズは身構えた体を解きながら 「やめてよ急に、びっくりするじゃない」  ハルキはアリスの地図を手に取ると 「アリスさん、これどこで?」 「えっ、聞き込みの時におばあちゃんがくれたの」  するとハルキは不気味に笑いだす。アリスはドン引きしながら 「ハルキンきもいんだけど……」  エミルも顔をしかめ 「そうだよ、どうしたお前疲れたのか?」 「疲れてません。みなさん見てください」  そう言って地図を比べると確かに、道の数は上りは同じだが寺院から出る下りの数が違っていた。 「なぜ本数が違うのか、それはエミルさんのは最近のもので、アリスさんのは昔のものだからです」  エミルはぽかんとして 「新しい方が正確だろ。カーナビにもこの道しかなかったし」  ショウタがハッと何かに気づき 「そうか……そういうことか」 「つまり道の本数の違いは土砂崩れの前か後かです。
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