予約済み

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予約済み

 翌日は久々の二日酔いで、頭がガンガンして最悪の寝覚めを迎えた。  昼過ぎにやっとベッドを出ると、鎮痛剤を水で流し込んで熱いシャワーを浴びると、髪も乾かさずに再びベッドに潜り込んだ。  辺りが暗くなった7時半ごろに再び目を覚ますと、ノロノロとリビングに移動してスマホをいじり、小腹を満たすために出前を注文する。  萌華の土日は大抵なんの予定もない。本を読んだり映画を見たり、家に引きこもって好きなことをして過ごす。  今日も単調な週末だと、頼んだ出前の中華を食べながら映画を流し見しているとピコンとスマホにメールの着信がある。  何気なくスマホを手に取りメールを確認すると、差出人はステラマリア、件名は予約最終確認とある。  萌華はその文字を見てもピント来ない。本文をクリックすると【6月8日、午後10時から120分コース、指名スタッフ:タロ】と書かれた文面に、ようやく昨日の記憶が蘇る。 「ああ、そんな予約してたな……」  酒の勢いとはいえ、怪しげなサイトでマッサージの予約をしたことを思い出す。  自分の浅慮さに、痛みが残る頭を抱えて、萌華はメールを再び見る。  本分の文末に、頑張りすぎる貴女を早く癒してあげたいと書かれている。 「リップサービスだとしても、私の渇き切った心には染みる文言だわ」  こんな文面のメールなどもらった事がない。時計を見るともうすぐ9時になる。  萌華は慌てて着替えを済ませ、メイクをして身支度を整えると、家を出て駅に向かった。
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