これが本当の快感でしょうか

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これが本当の快感でしょうか

 気持ち良いけれど、時折いやらしい気分になるのは、そういったサービスだからだろうか。  背中をマッサージする掌が萌華の細い腰を捕らえると、背中と同じく中央から外側へ押し流すようにタロの親指が器用に腰を撫でる。 「身体が温まってきたね」  タロに言われると確かにじんわりと身体が熱くなってきた。  肩に伸ばされた指先は淫靡な動きで強弱をつけて萌華の肩を揉み解す。肩から肩甲骨の周りを何度も何度も行き来する。  タロはそのまま流れるように二の腕から肘、掌へ指を進め、官能的な動きで指先を一本一本丁寧にマッサージする。  両手への施術が終わると、今度は仰向けに寝転ぶように言われる。  萌華はタロに言われるまま仰向けになると、ズレた下着を手早く直して全身の力を抜く。 「綺麗な胸だね」  萌華の頭上に回り込んだタロは、膝を折って座ると、目線を落として萌華の顔のすぐ隣で囁く。  鎖骨から胸元にアロマオイルを馴染ませると、布地が覆う頂を避けて乳房を下から上に持ち上げるように何度も揉む。  官能的な手の動きに、萌華の胸は敏感に反応して、乳房の頂が硬く尖って自己主張する。 「気持ちいいの?」  頂の周りを執拗に撫でると、タロは萌華の耳朶に唇をあてて息を吹きかける。 「はっ……んん」  萌華は喘ぐように声を出す。 「嬉しいな」  そう囁いてタロはまた移動すると、萌華のみぞおちからお臍、骨盤の周りにオイルを垂らして掌を滑らせる。  ジリジリと疼く身体に人知れず力が入る。タロの掌が、それを抑えるように肩や腕など、力の入った部分を甘くマッサージする。  足元に移動して、肩幅に開かされた両脚にタロの手が伸びると、たっぷりとオイルをまとった掌が艶かしく萌華の脚をまさぐる。  その掌が徐々に足の付根に近付くと、タロは台に上がり、萌華の片脚を持ち上げると、器用に開脚させて足の付根を重点的にマッサージする。つまりは秘所の周りを指先で何度も擦る。 「あ、んっ」 「そんなに気持ち良いの?もっと声出しても良いよ」  ショーツが隠すギリギリのところまで指を滑らせると、今度は反対の足を持ち上げられて、また同じように足の付根から臀部にかけて執拗に指が行ったり来たりする。  身体がゾワゾワして腰を捩ると、やんわりと姿勢を戻されて、グリグリと付根に指を押し当てられ、萌華は蜜が染み出した秘所を隠すように手を伸ばす。 「隠しちゃダメだよ」  際どいラインに指を滑らせると、萌華の手を押さえて握り込み、ここかな?と蕾の近くを指で擦る。 「ひっ」  疼いてジンジンする身体をどうして良いか分からない。  足への執拗なマッサージが終わると、身体は火照って頭もクラクラしてくる。 「じゃあ、またうつ伏せになってもらえるかな?」  タロが萌華の耳元で囁く。言われるままうつ伏せになると、肩のマッサージが始まり、今度は普通の気持ちよさが勝るようになる。  萌華は安心から脱力してタロに身を任せるが、タロが足元に移動した瞬間に身体が硬直する。  ちゅ、と甘い音を立てて、タロが萌華の足を唇で愛撫し始める。 「え、や、あの!」 「大丈夫。力を抜いて」  指を艶かしく動かしながら、唇は徐々に秘所に近付いてくる。  臀部をほぐすように揉み込みながら、唇は徐々に上半身へと進み、脇腹を舐められる。 「う、ひゃあ」  官能的な愛撫だが、全くの初めての経験から、萌華はくすぐったさが勝って変な声を漏らして身を捩る。 「……お姉さん、もしかして」  タロの少し驚いたような声に、萌華は恥ずかしくて消え入りたくなる。 「そっか。分かった。とりあえず仰向けになって」  タロは手を添えて萌華が仰向けになるのを手伝うと、足元に回り込んで台に上がって身を屈める。 「くすぐったいかも知れないけど、唇に集中してね。そしたら気持ちよくなるから」  内腿を優しく撫でると、その動きを追うように唇が萌華の足の付根に徐々に近付いてくる。膝を折って開脚させられると、タロの唇と舌が秘所の周りを甘く愛撫する。  中心がじんわりと熱くなり、そこから蜜がじわりと染み出してくる。 「うん、それで良いよ。もっと力を抜いて」  タロは唇を離すと、寛げさせた両脚の間で膝をついて、萌華の身体の両脇に手をつくと、骨盤からお臍にかけて唇を落とし、柔らかい舌先でゆっくりと舐める。 「あ、の……」  じわりと染み出した蜜の辺りがジンジン痺れて萌華は両脚を閉じようとするが、タロが邪魔で閉じられない。 「ここには二人だけ。大丈夫だから、身体を任せて」  不意に顔を上げたタロは、目が潤んだ扇情的な顔で萌華を見た。  雄の顔だ。萌華はひっそりとそう思いながら、優しい声に頷くと、身体の力を出来るだけ抜いてリラックスするように努める。 「う……あ、はい」 「ん。そんなに緊張しないで、気持ちよくなってね」  タロはそう言いながらまた愛撫を再開する。  タロが左の脇腹をそっと撫でるように指を走らせると、先程までくすぐったかったのが嘘のように、萌華は甘い吐息を吐き出す。  唇と舌が徐々に胸元へ近付くと、胸元を申し訳程度に覆い隠していた布地越しに唇を押し当てられる。 「や、あの」  思い掛けず甘い熱を受けて、萌華の形の良い乳房の頂は再び硬く尖る。タロはそのままゆっくりと乳房を外から内側へ、下から上に持ち上げるように揉むと、唇を落として頂の周りにキスをする。 「あ……んん」  張り詰める頂を避けて舌を這わされると、萌華は焦れたように腰を捻り、人知れず胸を突き出すように乳房を揺らす。 「もっと気持ちよくなってね」  そう言って布地の上から頂を口に含むと、硬く尖るそこを舌先で転がして、果実を食むように甘く舐め上げる。 「うっ、あぁん、やっ」  咄嗟に羞恥から胸元に伸びる萌華の腕を、タロは造作もなく掴むと、反対の腕も掴み上げて、そのまま頭の上で押さえ付ける。 「ここはどうかな?」  無防備になった脇にタロの唇がキスをすると、くすぐったさから、萌華は小さく弾む息を吐き出す。  タロは萌華の二の腕にキスをしながら舌を這わせると、再び脇に唇を寄せて、柔らかい舌先でゆっくりとそこを舐める。 「あんっ」  萌華の息遣いが変わったことを確認すると、タロは再び乳房を掬い上げて、指先で布地の上から頂を擦る。 「はぁん、ダメ、そこは……」  萌華は両脚の間が更にジワッと湿るのを感じて、堪えるように秘所に力を込める。クチュと聞いたこともない水音が聞こえて、いくら体験がなくてもそれが何の音なのかは萌華にも分かる。 「可愛いね」  タロは乳房を揉み込みながら頂の果実を食むと、反対の腕を萌華の足の付根にゆっくりと這わせる。 「怖いことはしないからね」  タロはとびきり甘い声で囁くと、萌華のショーツを指でなぞり、布地越しに蜜口と蕾の間を優しく撫でる。 「んんっ、あっ」  更に染みる蜜口からクチュクチュと厭らしい水音が響く。  胸元を優しく愛撫されながら、同時に秘所を手で弄られ、萌華は甘い痺れに耐えきれず腰を揺らす。 「そんなに気持ちいい?」  蜜口にあてがわれたショーツに指を添わせると、タロはショーツ越し萌華の蜜口に指で押し込む。 「あ、いやっダメぇ」 「大丈夫だから、指に集中してごらん」  胸の頂はふやけるほど蕩かされ、アロマオイルで湿った指先が敏感な蕾に触れる。 「はぁっ、んん」  あられもない快感が萌華の身体を襲う。腰がビクビク震えて、タロの指を誘うように蜜が溢れ出す。 「可愛いよ」  タロは萌華の鎖骨に舌を這わせ、甘いキスをしながら、ショーツ越しに蜜口の上を滑らせていた指先が蕾を優しく擦る。 「いっ、やあぁ、なんか出ちゃいそう」 「イケそうなのかな。怖くないよ。大丈夫」  タロは切ない表情で萌華を見ると唇にキスをして、舌を出してと囁き、震えながら差し出した萌華の舌を、官能的に舐めて舌を絡ませる。 「お姉さんの舌は柔らかくて甘いね」  口を窄めて舌を吸い上げ、キスをしながら、口の中で舌先を絡める。  ディープキスと蕾への甘い刺激で萌華はジリジリと押し寄せる快楽に身体を震わせる。 「恥ずかしくないよ。もっと力を抜いて気持ち良くなって」  タロのキスは一層激しくなり、蕾を擦る指が早くなる。蜜が溢れ出してグチュグチュと淫猥な音が響く中で、萌華はつま先をグッと伸ばして小さく痙攣する。 「いやぁっ、んんっ」  腰をビクビクと震わせる萌華に、タロはとびきり甘い笑顔を浮かべてキスをすると、身体を離して台から降りる。 「上手にイケたね」  頬を包むように手を添えると、また切なそうに萌華を見て優しく口付ける。  なんということだ。挿れられずとも絶頂を迎えてしまった。これはこれで処女を卒業出来たのではないか。萌華は甘い痺れに酔いながらも冷静にそう思った。
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