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「告白」分析結果
本日は2023年4月19日に結果発表になりました妄想コンテスト、「告白」について統計を示します。
今回は最近にしては珍しいシンプルかつど真ん中のお題で、見るからに応募総数が増えそうな回でした。
告白といえば恋愛での告白と、罪の告白のふたつに大別できると思いますが、当然ながら応募されてくるストーリーは圧倒的に前者に偏っていたのではないかと思います。
やっぱり胸が高まるストーリーは書いていて楽しいですからね。けれどその反面、ありきたりな告白では選考委員は食いついてくれないことでしょう。
読ませていただいたところ、告白する側とされる側、いったいどういう関係性なのかが楽しめる回となりました。
では、さっそく本題に入りたいと思います。
それではまず、注目の作者様は――。
夜空の散歩者さんの「髑髏の接吻 -天津謙人奇譚-」が佳作!(この作品、めっちゃ5分シリーズ好みだと思うんですけど!)
雫倉紗凡さんの「抜き打ち告白」が佳作!(冒頭からワクワクさせられる展開でうまいと思いました! 青春で恋愛でミステリーで最高です!)
和葉さんの「放物線を描く」が佳作!(恋愛を書いたらほんとに上手な作者様です。不遇のジャンルに舞い降りた天使でしょうか!?)
森水 涼葉さんの「白雪姫と正義の秤」が続きが読みたい賞!(法令違反や品質不良を特殊技能? で見抜くミステリー的物語ですが、恋愛が並走していて二度おいしかったです!)
そして優秀作品が――。
桜花音さんの「ねえ、お父さん」
蒼生光希さんの「ハッピー・バレンタイン バタフライ・エフェクト」
絵空事さんの「告白ゲーム」
栄亭さんの「タイムマシン」
東 里胡さんの「好きです!」
夜空の散歩者さんの「愛文」←ダブル!!
池田春哉さんの「四日後の恋愛事情」
NEURAL OVERLAさんの「仮想図書館の司書」
と、応募総数爆上がりなはずなのに、たくさんの作者様が選出されておりました。
涙を飲むことになった作者様は、お題の魅力に騙されたと思わず、次回の「騙された」の発表を心待ちにしましょう。
そして今回、エブリスタのコメントとしましては――。
「“告白”というテーマや、応募期間中にバレンタインが含まれていたこともあり、やはり恋愛ジャンルが大勢を占めていました。」ということですが、バレンタインでなくても恋愛ジャンルが多かったのでは、と思います。むしろ重ならないようにあえてバレンタインネタを避けた作者様がのほうが多かったのではないかと思います。
「ジャンルに限らず、「読者を意識する」ことは作品のクオリティアップに繋がります。」ということですので、早めに筆了して、寝かして頭をリセットしてから推敲するとより良作が出来上がるのかもしれません。
それでは分析の結果に移りたいと思います。
【分析対象:191回「告白」】
【作品数 926作品】
予想にたがわず、今回の応募総数はかなり多くなったようです。昨年の「猫」を彷彿とさせる、萌え心がそそられるお題だったと思います。
このようなお題を提示するとなると、選考委員も相当な数の作品を読まなければいけないと覚悟していたことでしょう。それでも一度は出してみたいお題だったという感じがします。
そして受賞作は、賞金枠3作品、佳作5作品、超短編賞なし、続きが読みたい賞1作品、それにトンデモ賞1作品、優秀作品が23作品ということでした。
では分析結果発表に移ります。
じゃじゃん!
【全体の受賞比率 3.6%】
今回は28作品あたり1作の選出という過酷な回となりました。
※ここでいう「受賞」とは、大賞・準大賞・入賞・佳作・超短編賞・続きが読みたい賞・トンデモ賞および優秀作品を指し、ピックアップルーキー賞は除いています。
では最初に全応募作品のジャンル別の割合を示します。横軸がジャンルで縦軸が割合(パーセント)になります。
今回のジャンル予想ですが――。
「告白」ということですので、もうこれは恋愛一択! 外したら負け!! と明言したいと思います。ほかは恋愛に集中することを予想して、ホラーおよびミステリーに振られる方もいらっしゃるのではないかと思います。
さて、実際のところはどうでしょうか。
では、赤が昨年(2022年)の平均、青が今回のコンテストのジャンル分布になります。
じゃじゃん!
いやもう予想通りではありますが、恋愛が圧倒的トップを獲得しました。おめでとうございます!
ここまで恋愛が伸びたのは過去最高です。今回は文句なしに「恋愛の乱」と言ってしまって良いのではないかと思います。
あとは青春も伸びておりますが、これは恋愛だとトレンドで上位に行かないからという理由で青春に振った場合と、生粋の青春ジャンルとが入り混じって伸びていると思います。
惜しいことに青春は1作品差でヒューマンドラマに後塵を拝しましたが。
ほかのジャンルについては軒並み比率が下がっているようで、ホラーやミステリーも増えなかったようです。
こんなふうにいつもの傾向をひっくり返すお題は個人的には大歓迎です。(分析していて面白いから)
では次にジャンル別の受賞割合を示します。
じゃじゃん!
今回もさまざまなジャンルからバランスよく選出がありました。しかし恋愛からの選出率は2%と、不遇の恋愛神話は健在のようです。また現代ファンタジーの選出がなかったというのは珍しいです。ファンタジー系は応募作品数が少なかったからですかね。
実数とすれば青春が11作品でトップを獲得し、ヒューマンドラマに下剋上を果たしました! 2番目がヒューマンドラマで8作品、応募総数が圧倒的多数だった恋愛は6作品でした。他のジャンルは2作品以下であり、選ばれたのは妄想コンテストの王道ジャンルが多かったということになります。
(注)結果発表の際に恋愛ファンタジーに分類された作品がひとつありましたが、これは恋愛に含んでおります。
では、次に紹介させていただくのが、「文字数ごとに分けた場合の、応募作品の割合」になります。
こちらも昨年のコンテストの平均文字数と比較して示します。赤が昨年の平均、青が今回のコンテストの分布になります。
じゃじゃん!
ここでX軸の1から14までの数値は、読書時間、つまり文章の長さを示しています。1分あたり600文字です。
ただし、「読書時間1分」は「100から600文字」、「読書時間14分」は「7801から8000文字」と範囲が狭くなっています。
正直、応募総数が増えると平均の文字数は少なくなりますし、またお題自体が一発ネタでもいけそうなものだったので、結果的に全体的な文字数としては少なめになると思っていました。
ところが、文字数の傾向は普段とあまり変わりませんでした。つまり作者様もかなり力を入れてきた回だったようです。
選考委員がヒーヒーおっしゃっていらっしゃるのではないかと思いました。
では、今度はそれぞれの文字数(読書時間)ごとで、受賞率がどう違うのかを示します。
じゃじゃん!
こちらについてはおおむね文字数と相関する選出率となっていました。
今回、連載中は【58作品】、過激表現の応募作品は【17作品】、規定外は【19作品】ありました。恋愛が増えたので過激表現が増えるかなと思ったんですが、そうでもなかったようです。
告白した頃はまだ、過激なところまで話が進んでいなかったようです。😆
ちなみにこれらの中で選出作品はありませんでした。
【超・優秀作品】
さて、今回の超優秀作品のご紹介です。
☆彡蒼生光希さんの「ハッピー・バレンタイン バタフライ・エフェクト」
『隕石が衝突して滅びる直前の100年後の舞台と、現代のバレンタインデーにチョコを渡そうとする学園での舞台という、ふたつのぜんぜん違った世界線が交わる物語。いったい何がどう繋がるのかワクワクさせられる、個人的にはトンデモ賞にさせていただきたい一作でした!』
☆彡NEURAL OVERLAさんの「仮想図書館の司書」
仮想化技術者(ファンタジスト)を目指すフリーターの青年は、バイト先の『ハートケアフレンド』で高級住宅街の屋敷を訪れる。そこで物語は仮想小説の根源へと向かってゆく――。仮想世界の話と思いきや、それぞれの人間の関係やあたたかさが感じられる物語です。文章が醸す雰囲気も最高です!』
しかし今回、佳作に選出された三人の作者様は、前回『今年のブレイク作者様予想』で挙げさせていただいた方々でしたので、個人的にもなんだか鼻が高いです。(←自分の努力ではないのにそのドヤ顔はなんだ!?)
ナイト・スカイ・ウオーカーこと夜空の散歩者さん、ドロップウェアハウス・シャボンこと雫倉紗凡さん、それにハーモニー・リーフこと和葉さん、しいたけ獲得おめでとうございます!!
追伸)新ジャンル「恋愛ファンタジー」が新設されましたね。分析上、なに厄介なことをしてくれちゃってんの、と思っているところです。新ジャンルを加えたグラフにしますと比較の弊害になってしまいますので、当面は「恋愛」の中に含めたままにしたいと思います。
本日は以上になります。
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