「たまご」分析結果

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「たまご」分析結果

本日は2023年6月14日に結果発表になりました妄想コンテスト、「たまご」について統計を示します。 「たまご」といえば、「卵」でありも「玉子」でもあり、そして「ひよこの前段階」でもあります。ですから生き物として、食材として、あるいは何かを目指す概念としてこのお題は使われたのではないかと思います。 ほかにも何らかの仕掛け(ギミック)としてたまごを準備された方もいらっしゃったかと思います。 けれどなかなか切り口が難しくて、個人的にはかなり強引な使い方をしてしまいました。お題の使い方に無理がある作品は選ばれた記憶が全然ないんですよね。 選出された作品は、きっとこのお題を上手に料理し、おいしく召し上がっていたのではないかと思います。 では、さっそく本題に入りたいと思います。 それではまず、注目の作者様は――。 阿坂 春さんの「鳳凰のたまご」が入賞!(さすがの選出率です! 阿坂さんの短編、読んでいると不思議な雰囲気に包まれちゃうんですよね) 雫倉紗凡さんの「この恋は焦げ付き」が佳作!(王道青春まっしぐらでしいたけ獲得おめでとうございます! この受賞によって新たなイベント発生!?(後述)) 多田 莉都さんの「彼女のポーチドエッグ」が佳作!(選評にある地の文の優しさ、すごく納得です。物語の展開も工夫されていて納得の選出でした!) 仁科佐和子さんの「アイデンティティ」がトンデモ賞!(言わずと知れたトンデモな作者様がトンデモな路線で受賞! コメディに寄せ切った作品が評価されて未来が明るくなりました笑) そして優秀作品が――。 仁矢田 美弥さんの「卵が割れたら」 夜空の散歩者さんの「生まれ出るもの堕ちるもの」←連続選出! みぐさんの「ウィルスのタマゴ」 たやすもとひささんの「卵とハンマー」←連続選出! 味志ユウジロウさんの「E.G.G.S.生まれの君へ」←三連続選出! 一月ににかさんの「聖女のたまご」 と、今回もたくさんの作者様が選出されておりました。 涙を飲むことになった作者様は、ふたたびこの場でお会いできることを願いつつ、次回の「また会えたね」の発表を心待ちにしましょう。 そして今回、エブリスタのコメントとしましては――。 「「たまご」と一口に言っても(中略)幅広い作品が集まりました。」 とのことで、いろんな「たまご」に遭遇した回となったようですね。あえてひらがなの「たまご」とした意図通りだったというところでしょうか。 「受賞作は作中のキーアイテムとして上手く用いただけでなく、更に自らの世界観に引き込んだ作品が目立ったように思います。」 とのことで、最近になってようやっとスーパーのたまごの品薄さが解消されてきたような気がします。値段はまだまだ高いですが。(ぜんぜん脈絡なくてごめんなさい) それでは分析の結果に移りたいと思います。 【分析対象:195回「たまご」】 【作品数 740作品】 意外と難しいお題にかかわらず、応募総数はだいぶ多かったようですね。 そして受賞作は、賞金枠3作品、佳作5作品、超短編1作品、続きが読みたい賞なし、それにトンデモ賞1作品、優秀作品が23作品ということで、たまごだけにまるく完結した物語ばかりだったことでしょう。 では分析結果発表に移ります。 じゃじゃん! 【全体の受賞比率 4.5%】 今回は22作品あたり1作の選出でした。 ※ここでいう「受賞」とは、大賞・準大賞・入賞・佳作・超短編賞・続きが読みたい賞・トンデモ賞および優秀作品を指し、ピックアップルーキー賞は除いています。 では最初に全応募作品のジャンル別の割合を示します。横軸がジャンルで縦軸が割合(パーセント)になります。 今回のジャンル予想ですが――。 「たまご」ということですので、料理を通じた家族愛を描くヒューマンドラマ、世にも恐ろしい何かが生まれるホラー、そして不思議な生き物のたまごが出てくるファンタジーを連想させます。 ほかはたまごを通じたドタバタ劇のコメディでしょうか。 さて、実際のところはどうでしょうか。 では、赤が昨年(2022年)の平均、青が今回のコンテストのジャンル分布になります。 じゃじゃん! 11f9f567-9c22-4214-91a3-1c92037df916 おおっ! たしかにヒューマンドラマ、ファンタジー、ホラー、そしてコメディは普段よりも若干多めになりました。けれどそれ以上にSFがかなり増えており、普段の2倍近い応募割合となっています。 一方で恋愛は激減で半分くらいになっていたようです。たまごを恋愛の切り口にするのはだいぶ難しかったのではないでしょうか。 では次にジャンル別の受賞割合を示します。 じゃじゃん! 8751914b-ccf4-4d64-88e4-961c86a47fa1 今回もさまざまなジャンルからバランスよく選出がありました。 ということは、逆に集中したジャンルだったためにご遠慮願われた作品があると思えてなりません。 実数とすれば鉄板のヒューマンドラマが6作品で一番多いのですが、ホラーが5作品、現代ファンタジー・青春・SFが4作品ずつ、恋愛・ファンタジー・コメディが3作品ずつと、かなり詰まった感じとなっており、いろんな方面の物語が楽しめる回となったようです。 ★ では、次に紹介させていただくのが、「文字数ごとに分けた場合の、応募作品の割合」になります。 こちらも昨年のコンテストの平均文字数と比較して示します。赤が昨年の平均、青が今回のコンテストの分布になります。 じゃじゃん! 15a0efe0-2501-4671-a9ff-d110cb31bb5b ここでX軸の1から14までの数値は、読書時間、つまり文章の長さを示しています。1分あたり600文字です。 ただし、「読書時間1分」は「100から600文字」、「読書時間14分」は「7801から8000文字」と範囲が狭くなっています。 最近の傾向として、全体的にまんなかあたりの文字数の作品が増えている印象があります。今回は2分から11分の作品が昨年の平均よりも多く、それ以外が少ないという結果でした。 最近は14分作品が減っているように感じていたのですが、今年に入ってから昨年の平均を上回ったことは一度もなかったのではないでしょうか。 長く続けていると、毎回ギリギリの文字数まで書くだけの時間的な余裕がなくなってくるのかもしれませんね。 いや、力みすぎずそこそこの文字数で仕上げるのも、妄コンを長く続けるコツと言えるのかもしれません。 では、今度はそれぞれの文字数(読書時間)ごとで、受賞率がどう違うのかを示します。 じゃじゃん! 1a5c6695-1c10-4fe9-90bf-67082be63ddb うん、最近の傾向を反映しているようですので、この点についてはくどくどと説明する必要はないのではないかと思います。 今回、連載中は【46作品】、過激表現の応募作品は【10作品】、規定外は【5作品】ありました。 ちなみに今回はこれらからの選出はありませんでした。 ★ 【超・優秀作品】 さて、今回の超優秀作品のご紹介です。 ☆彡みぐさんの「ウィルスのタマゴ」 『火星の衛星ではるか昔に墜落した宇宙船の残骸を発見した。黒いたまごを見つけるがそれはウイルスを保有しており、パンデミックを起こしてしまう。ハラハラしながら行き着いた結末は――。この作者様の普段とは違ったラストに呆然としました』 ☆彡一月ににかさんの「聖女のたまご」 『教会の掟を破って追放された元司祭の主人公のもとに「聖女のたまご」が訪れる。それを機に主人公は昔の力を取り戻し、聖女のたまごを修行させながら同じ時を過ごす。そして終わりの日を迎え、誕生した聖女とは――。切なくも美しい、不思議な世界観に魅了されることうけあいです』 一月ににかさんは初めての選出なのではないかと思いますが、これからたびたびお目にかかることになるのではと思っています。 また、雫倉さんの受賞紹介のコメント、「新たなイベント」とはなんなのか? そしてそれは実現するのか? 謎は深まるばかりです。(「エブリスタの秘密」をお読みくださっている方はお気づきかもしれませんが――) 本日は以上になります。
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