「追いかける」分析結果

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「追いかける」分析結果

本日は2023年8月2日に結果発表になりました妄想コンテスト、「追いかける」について統計を示します。 「追いかける」といえば、前回の「道」の時にみられたような抽象的な概念よりも、人物、生物、そして乗り物など、具体的な相手が存在する場合が多いと思います。追う、追われる関係となった背景や因果など、それぞれの関係性に頭を捻った回となったのではないでしょうか。 ちなみにこのお題を提示された時、それぞれの作者様自身が追いかけて掴めなかった何かを思い出したりしたのではないでしょうか。(なんか切ない……) では、さっそく本題に入りたいと思います。 それではまず、注目の作者様は――。 蒼生光希さんの「夏空の下、狐と走る」が大賞!(さあ妄想王の座を追いかけてエンジン全開でしょうか!? この作品、驚きと感動が共存する名作でしたね!) 夜空の散歩者さんの「狼と羊」が入賞!(この意外な展開、納得の一策です! しかし確かな筆力でしいたけを突き刺しまくりですね。賞金枠、おまけに連続選出!) 高木アイコさんの「ある主人公の話(リメイク作品)」が佳作!(タイトルにリメイクって入れちゃう胆力がすごいと思いましたが、それでも選出してくるエブの寛容さもナイスですね!) 阿坂 春さんの「幻の信号灯」が超短編賞!(裏三賞の連続選出という珍快挙! 超短編って、これを獲れるだけの切れ味がある方の特権じゃないでしょうか) そして優秀作品が――。 高木アイコさんの「コンマ数秒を削る」←ダブル選出! はじめアキラさんの「ムゲン・ボックス」←連続選出! 桜 花音さんの「1on 1」←連続選出! 佐々森りろさんの「追われる恋」←アルポリ青春賞コンビが青春ジャンルで選出! 東 里胡さんの「幼なじみがグレた日の話」←アルポリ青春賞コンビが青春ジャンルで選出! しかも連続選出! 砂たこさんの「或る日、森の中」 池田春哉さんの「射止めて撃ち抜く家ウサギ」←連続選出! 藤村げっげさんの「傷色キャンバス」 秋月 一成の「セリアの魔法学院入学試験」←ここにおったわ! 雫倉紗凡さんの「残業続きの創造主」 と、今回もたくさんの作者様が選出されておりました。 それにしても今回はいつにもまして常連さん感が強かったですね。(非フォロワーの作者様も含めて) そして選ばれている作品は、それぞれの作者様が得意とする作風で仕上げられているなー、という印象が強かったです。 一方で涙を飲むことになった作者様は、次回の「雨よ降れ」で嬉し涙の雨を降らせるのを夢見てください。 そして今回、エブリスタのコメントとしましては――。 「登場人物たちが自らの意思で行動することで物語が進行する、アクティブでエネルギッシュな作品が多かった印象です。」 というこですが、たしかにいろんな作品を読んでいて、物理的にも心理的にも躍動感がある物語が多く、とてもわくわくした回となりました。 「追う者・追われる者いずれの目線であっても、緊張感や共感を感じながら読み進めることができ、一緒に自分も追われる・追いかけているような没入感を得られる回となりました。」 しかもいろんなジャンルでいろんな目線を味わえる物語が多く、いいお題だったなーと思わせられました。 それでは分析の結果に移りたいと思います。 【分析対象:198回「追いかける」】 【作品数 623作品】 今回の応募総数はけっこう少なめになったようですね。追う者と追われる者の関係を作り上げるとすると、一発ネタでは難しい回だったのではないでしょうか。 そして受賞作は、賞金枠3作品、佳作5作品、超短編1作品、続きが読みたい賞1作品、トンデモ賞作品なし、優秀作品が23作品ということで、しいたけを追いかけてつかめた方は10名となったようです。 最近は裏三賞がなかなか綺麗にそろわないですね。 では分析結果発表に移ります。 じゃじゃん! 【全体の受賞比率 5.3%】 今回は19作品あたり1作の選出でした。 選出率が5%を超えると、なんとなくホッとする今日この頃です。 ※ここでいう「受賞」とは、大賞・準大賞・入賞・佳作・超短編賞・続きが読みたい賞・トンデモ賞および優秀作品を指し、ピックアップルーキー賞は除いています。 では最初に全応募作品のジャンル別の割合を示します。横軸がジャンルで縦軸が割合(パーセント)になります。 今回のジャンル予想ですが――。 「追いかける」ということですので、あらゆるジャンルでの創作につながる、意外ととっつきやすいお題だったのではないかと思います。ですから不遇のコメディ挽回になる回だと期待したいところです。 さて、実際のところはどうでしょうか。 では、赤が昨年(2022年)の平均、青が今回のコンテストのジャンル分布になります。 じゃじゃん! 8f8b3c1d-1108-4e2c-b1e4-2f0a08327d57 おおっ! 今回は珍しい組み合わせで、青春とホラーが多い回となりました。それぞれの作者様がご自身の得意なジャンルでの「追いかける」を持ち込み、作風が大きく分かれた回となったのかもしれません。 ちなみに新ジャンルの恋愛ファンタジーですが、恋愛に応募された75作品のうち17作品が恋愛ファンタジーでした。ようやっと妄コン応募作品としての市民権を得てきたような気がします。 では次にジャンル別の受賞割合を示します。 じゃじゃん! 58d6dce9-9f51-4941-8ae0-e4d4222d7257 今回もさまざまなジャンルからバランスよく選出がありました。 とはいえ実数では青春8作品、鉄板のヒューマンドラマとホラーが5作品、コメディが4作品であり、前回に引き続き青春フィーバーの回となったようです。 最近は青春の存在感が強いですね。季節的には猛暑の夏ですが。 しかし恋愛ファンタジーの選出いまだならず……。 ★ では、次に紹介させていただくのが、「文字数ごとに分けた場合の、応募作品の割合」になります。 こちらも昨年のコンテストの平均文字数と比較して示します。赤が昨年の平均、青が今回のコンテストの分布になります。 じゃじゃん! 94d6704d-61a8-417c-8c8e-e94335e70ccf ここでX軸の1から14までの数値は、読書時間、つまり文章の長さを示しています。1分あたり600文字です。 ただし、「読書時間1分」は「100から600文字」、「読書時間14分」は「7801から8000文字」と範囲が狭くなっています。 今回は平均と比べて大きな違いはなかったようです。若干短めの3~9分層が若干増えているので、連続妄コン参加者の中では箸休め的な回になったのかもしれません。 CHAGE and ASKAの「太陽と埃の中で」という曲で、「追いかけて 追いかけても つかめないものばかり」という歌詞がありましたが、しいたけってなかなかつかめないですよね。たまには肩の力を抜いて、追いかけているふりをする回があってもいいと思いました。 では、今度はそれぞれの文字数(読書時間)ごとで、受賞率がどう違うのかを示します。 じゃじゃん! d12d28f8-fe9f-4cd7-bac2-34d62e714e89 今回は3分以下全滅、超短編賞も4分作品で、全体的にちょっと長めが多い回となりました。 今回、連載中は【24作品】、過激表現の応募作品は【18作品】、規定外は【13作品】ありました。 ちなみに今回はこれらからの選出はありませんでした。 【超・優秀作品】 さて、今回の超優秀作品のご紹介です。 どれも面白くて絞れなかったのですが――。 ☆彡藤村げっげさんの「傷色キャンバス」 『万引きをした見た目悪そうな同級生を追いかけるが逆に突っ込まれてしまい――。会話や描写の一文一文が味わい深く、いろんな色に意味を持たせているところが上手だと思いました。読まれた方は皆納得の一作だと思われたのではないでしょうか』 ☆彡砂たこさんの「或る日、森の中」 『とあるのどかな童話の設定やギミックが用いられていますが、その印象で読んでしまうと衝撃的な内容です。オマージュ作品を選出するエブの懐の広さにも感銘を受けました』 ちなみに前回、「次回は選ばれるよう、水色丸々の神様にお願いしておきます。」とお伝えしましたが、どうやら水色丸々の神様は実在するようでした。 選出された拙作、「セリアの魔法学院入学試験」はすでに長編「メメル」の第二章に吸収され、違った展開の物語になりました。短編の続きが読めます♪ https://estar.jp/novels/26109654 (番宣かよ!) お祝いのペコメをくださった皆様、どうもありがとうございました! 本日は以上になります。
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