「雨よ降れ」分析結果

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「雨よ降れ」分析結果

本日は2023年8月17日に結果発表になりました妄想コンテスト、「雨よ降れ」について統計を示します。 今回はお盆休みということもあって発表が1日遅れでしたね。 毎年、梅雨の季節には雨に関連したお題が来ると思うのですが、雰囲気系のお題というのは応募が集中する傾向があるようです。そのためか、今回は「雨よ降れ」と狭めて難易度をアップさせたようですね。 「桜を嫌いな理由」みたいに、逆説的な要求にどれだけ添えるのか、工夫が必要となった回なのではないかと思います。 それでも作者様の妄想力はその上を行き、応募総数はそうそう減らないのではないかと思います。 では、さっそく本題に入りたいと思います。 それではまず、注目の作者様は――。 潜水艦7号さんの「See you」が大賞(初めてのBL挑戦での大賞、おみごとです! 選評のとおり設定や描写が濃密で、これは来るだろうなと思っていた作品でした!) 和葉さんの「流星群」が準大賞!(今年は絶対来るだろうと思っていた作者様なので報われて嬉しいです。胸が熱くなる青春物語、最高の読後感でした!) 高木アイコさんの「雨音と踊るヒール(リメイク作品)」が入賞!(またもやリメイク作品で連続、しかも今度は賞金枠獲得! 「リメイク上手の高木さん」というタイトルがつきそうです!) 蒼生光希さんの「君の行く手に雨よ降れ」が佳作!(ファンタジーの世界でワクワクする物語、しかもお題の使い方が面白かったです。おまけに連続選出! 間違いなく今年の妄コンの顔となる作者様ですね!) 乃上さりさんの「立葵の恋」が佳作!(最近フォローさせていただいた作者様なので未読でしたが、ゆっくりお邪魔したいと思います。さらなるご活躍が楽しみです!) そして優秀作品が――。 はじめアキラさんの「女神サマが欲しい物!」←またもや連続選出! 杜乃うなさんの「去れ、我が涙」※最近フォローさせていただきました ななせハチミツさんの「歌舞伎町ビーティット」 咲蔵 風人さんの「きれいな作文」 佐々森りろさんの「雨に願いを」←連続選出! NEURAL OVERLAPさんの「青天のRain Dance」 池田春哉さんの「雨、ところにより、君」←またもや連続選出! 一月ににかさんの「龍神は愛する者のために命を賭す」 海善紙葉さんの「三つの願い」 と、いつにもましてたくさんの作者様が選出されておりました。 しかも今回は、最近フォローさせていただいた作者様(比較的最近参加された作者様)の選出が多くて、新しい風を感じる回となりました。 一方でレイニーブルーとなった作者様は、徳永英明のレイニーブルーの歌詞を思い出しつつ、「レイニーブルー 終わったはずなのに なぜ追いかけるの……あっ、『追いかける』は前回のお題だった!」とボケていただき、笑顔を取り戻していただきたいと思います。 そして今回、エブリスタのコメントとしましては――。 「寄せられた作品には“全てを洗い流す=再起のきっかけ”を始めとしたポジティブなものも多く、「雨よ降れ」という祈り・願いとうまく組み合わされていました。」 とのことで、多くの作者様が難しいお題を乗り越え、期待以上の作品を創られていらっしゃったようです。一方で、 「テーマごとのニュアンスを物語にどのように活かすのか、発案段階で一考してみてください。」 と、お題に対する要求を満たさなければ選ばないという厳しいスタンスも感じられました。 それでは分析の結果に移りたいと思います。 【分析対象:199回「雨よ降れ」】 【作品数 799作品】 やっぱり雰囲気系のお題は、ちょっとやそっと絞ってもかなりの応募総数となったようですね。雨が降る必然性がどれだけうまくお題の中に盛り込めているのか、受賞作品の内容が大変気になりますね。 しかし今回、作例にあった「逆さてるてる坊主」をネタにした作品はけっこう多かったように思いました。 そして受賞作は、賞金枠3作品、佳作5作品、超短編1作品、続きが読みたい賞2作品、トンデモ賞1作品なし、優秀作品が21作品ということで、降ってきたしいたけは12となったようです。 最近は裏三賞が少なかったので、ここで挽回してきたのでしょうか。 では分析結果発表に移ります。 じゃじゃん! 【全体の受賞比率 4.1%】 今回は24作品あたり1作の選出でした。 新型コロナの影響で応募総数がピークとなった年の平均と同等の水準のようです。この妄想コンテストはオールジャンルなので、以前よりさらに注目が集まっているのでしょう。 ※ここでいう「受賞」とは、大賞・準大賞・入賞・佳作・超短編賞・続きが読みたい賞・トンデモ賞および優秀作品を指し、ピックアップルーキー賞は除いています。 では最初に全応募作品のジャンル別の割合を示します。横軸がジャンルで縦軸が割合(パーセント)になります。 今回のジャンル予想ですが――。 「雨よ降れ」ということですので、その背景にある心情を描いて成立する物語が多くなると思います。ですから恋愛とヒューマンドラマが増えるのではないかと思います。 さて、実際のところはどうでしょうか。 では、赤が昨年(2022年)の平均、青が今回のコンテストのジャンル分布になります。 じゃじゃん! 28cac5ab-7047-4ee9-88d1-db990082a70b どうやら今回は恋愛と青春という、妄想コンテストメジャーのジャンルが多かったようです。あとは詩でしょうか。 ヒューマンドラマはちょっと減っているようですが、最近ヒューマンドラマからの選出比率が少なくなっていることが影響しているのかもしれません。 ちなみに新ジャンルの恋愛ファンタジーですが、恋愛に応募された137作品のうち20作品が恋愛ファンタジーでした。 では次にジャンル別の受賞割合を示します。 じゃじゃん! ea7dbf98-7f8a-41c3-8688-afbe32f38b4c 今回もさまざまなジャンルからバランスよく選出がありました。 実数では鉄板のヒューマンドラマが10作品、続いて青春が7作品、現代ファンタジーとコメディが4作品となっています。選出割合的には不遇のコメディが1番でした。たまにはこんな回があってもいいですね。 それにしても応募総数の多かった恋愛は超不遇でした。やっぱり相合傘的な物語が思いっきり被ったのでしょうか。 ただ、ついに恋愛ファンタジーが1作品選出されておりました! おめでとう新ジャンル! ★ では、次に紹介させていただくのが、「文字数ごとに分けた場合の、応募作品の割合」になります。 こちらも昨年のコンテストの平均文字数と比較して示します。赤が昨年の平均、青が今回のコンテストの分布になります。 じゃじゃん! a5c1c9ff-24af-4a98-89e1-c152496fe29c ここでX軸の1から14までの数値は、読書時間、つまり文章の長さを示しています。1分あたり600文字です。 ただし、「読書時間1分」は「100から600文字」、「読書時間14分」は「7801から8000文字」と範囲が狭くなっています。 今回は平均と比べて文字数が少なめに偏っています。 雰囲気系のお題は応募総数が多くなりがち、一発ネタが増えがちという傾向がありますので、全体的な文字数が少なめだったのは納得です。 なお、雨関連のお題は毎年夏にひとつありますが、昨年が「雨音」、一昨年が「夕立」、その前が「やまない雨」、その前が「傘」、その前が「雨の日」でした。 では、今度はそれぞれの文字数(読書時間)ごとで、受賞率がどう違うのかを示します。 じゃじゃん! 9722066e-97d4-4204-adfc-e33662deab2b 今回の選出作品は3分以上であり、5分以下の文字数の少ない作品は不遇でした。文字数の少ない作品は、エブリスタのコメントにある、「単に雨模様の描写があるだけで、テーマに昇華できていない作品」とみなされてしまったものがかなり多かったのではないでしょうか。 完成度を高めるためにはどうしても文字数が多くなってしまうのは致し方ないことでしょう。 今回、連載中は【57作品】、過激表現の応募作品は【19作品】、規定外は【13作品】ありました。 ちなみに今回はこれらからの選出はありませんでした。 【超・優秀作品】 さて、今回の超優秀作品のご紹介です。 ☆彡一月ににかさんの「龍神は愛する者のために命を賭す」 『干ばつから村を救うため、生贄として龍神に差し出される主人公ですが、意外なことに龍神といい関係になり――。女性向けファンタジーの短編版といった作品で、この世界の雰囲気を味わえる文体が魅力的です。恋愛ファンタジー挑戦での選出おめでとうございます!』 ☆彡NEURAL OVERLAPさんの「青天のRain Dance」 『世知辛い受験戦争で心を痛めている少女の前に現れた、びしょ濡れになりながら踊るダンサーたち。主人公は踊りに誘われて本来の自分を取り戻し、前を向けるようになる。リズミカルな動きが魅力的で、雨が降るのを待ちたくなるようないい小説でした!』 さて、次回は200回記念回「これからもよろしく」の発表と思われていらっしゃるかもしれませんが、選考期間のバナーを見ますと200回のバナーが201回の「AI」のバナーよりも下にきています。予定の日程からしても、次の発表は201回のほうが先になるのではないかと思います。 毎回、記念回は河出さんが絡むためか結果発表が遅めになりますしね。200回記念回の発表についてはのんびり待ちたいと思います。 そうなりますと、この分析も次回はひと月ほど空いてしまうことになります。 そこでですが――。 今回の「雨よ降れ」の結果発表で、2023年に応募が終了した妄想コンテスト前半の12回が結果発表されたことになります。 そうなりますと、次回の発表を待つ間に、恒例の「妄想王決定戦中間発表」をさせていただきたいと思います。 なお、今年の中間発表は総合ポイントだけにさせていただきたいと思います。 今年ご活躍されている作者様のお名前、なんとなく浮かびますよね♪ 本日は以上です。次回乞うご期待!
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