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「AI」分析結果
本日は2023年9月20日に結果発表になりました妄想コンテスト、「AI」についての統計を示します。
今回はじつに1ヶ月以上の時を越えての結果分析となります。久しぶりだと思わず集計のやり方を忘れてしまいそうです。
昨今のAIの進歩はすさまじく、しかも誰もが手軽に利用できる時代となりました。けれど同時にさまざまな問題が起きているのも事実です。
そんなトピックのお題ではありますが、それでも読むのも書くのも人間、もちろん審査するのも人間……と信じたいところです。選考が大変すぎて選出はAIガチャだった……なんて妄想は運営様に失礼ですよね。(安心してください、読んでますよ! って言われそう)
では、さっそく本題に入りたいと思います。
それではまず、注目の作者様は――。
桜井清志さんの「桜井カンパニーの秘密」が佳作!(しいたけ率の高い作者様ですが、今回のAIが出てこない話はほんと面白くて、やられたーって思いました!)
月夜さんの「泣きやませて」が超短編賞!(おめでとうございます。選評通り、うまく構成されていて唸らされる作品でした!)
蒼生光希さんの「新婚なのにイケメンAIと同居なんて聞いてない!」が続きが読みたい賞!(変幻自在の作風で、どんなストーリーを書いても面白く仕上がりますね。3連続しいたけ獲得なんて、いままでではじめて見ました!)
天瀬マリナさんの「モモちゃんの炊飯器」がトンデモ賞!(おめでとうございます! しかし選評を見て思う、この読み逃した悔しさよ……後でゆっくりお邪魔しまーす!)
そして優秀作品が――。
栄亭さんの「コギトとエルゴが住む街で」
潜水艦7号さんの「混沌の果てに」←連続選出!
絵空事さんの「センセイの最適解」
桜 花音さんの「逃しきれない熱をあなたに」
乃上さりさんの「Bボタン―SED(故人邂逅システム)―」←連続選出!
池田春哉さんの「いいエアコンを買いましょう」←またもや連続選出!
小花衣ゆりさんの「未来予測AI、チームアベリア保育園」
一月ににかさんの「血×××たお化け屋敷」←連続選出!
味志ユウジロウさんの「AI級戦犯は誰だ?」
と、いつにもましてたくさんの作者様が選出されておりました。
しかも今回はついに、裏三賞をフォロワーの作者様が独占という、奇跡の選出を目にすることになりました。
それにしても、わりと最近参加されたにもかかわらず、すでに妄想コンテスト選出の常連となられている方も多かったですね。
一方で「エー? アイーン!」となった作者様は、AI LOVE YOU(尾崎豊)の歌詞、「AI LOVE YOU 今だけは 悲しい結果発表 聞きたくないよ AI LOVE YOU 書いて書いて 間に合わせた締め切り 何もかも選ばれるわけじゃないから……」を思い出しながら、次回の選出を夢見て、これからもよろしくお願いしたいと思います。
そして今回、エブリスタのコメントとしましては――。
「人工知能を通して人間とは、命とは何かを作者と読者が共に考えさせられるような、腰の据わった作品が多い(以下略)」
シリアスな物語が多くなるんじゃないかなと予想していたので、なんとなく納得のコメントでした。でも、
「AIの無限の可能性と共に、人の発想力の可能性も感じられる回だったように思います。」
というように、人間の持つ新しいものを創る力は、AIにけっして真似できないものであってほしいと願ってしまいます。
それでは分析の結果に移りたいと思います。
【分析対象:201回「AI」】
【作品数 735作品】
AIがお題になると登場人物の誰かは人工知能だったりする作品がほとんどだと思います。食指がそそられない作者様も多いのではと予想したのですが、思った以上に応募数は多くなったようです。題材からしますと会話や動きが機械的で硬くなりがちだと思いますので、どうやって物語に弾力をつけるかが重要なように思いました。
そして受賞作は、賞金枠3作品、佳作5作品、超短編1作品、続きが読みたい賞1作品、トンデモ賞1作品なし、優秀作品が22作品ということで、ひさびさの黄金比に落ち着いたようです。よっ、さすが人工知能!
では分析結果発表に移ります。
じゃじゃん!
【全体の受賞比率 4.5%】
今回は22作品あたり1作の選出でした。いつもながら狭き門です。
※ここでいう「受賞」とは、大賞・準大賞・入賞・佳作・超短編賞・続きが読みたい賞・トンデモ賞および優秀作品を指し、ピックアップルーキー賞は除いています。
では最初に全応募作品のジャンル別の割合を示します。横軸がジャンルで縦軸が割合(パーセント)になります。
今回のジャンル予想ですが――。
「AI」ということですので、皆様も予想される通り、SF一択! 外したら負け! だと思いました。むしろこれでSFの割合がたいしたことなかったら分析をやめてしまおうと思うくらいです。
さて、実際のところはどうでしょうか。(そこまで言ってしまったのでドキドキ)
では、赤が昨年(2022年)の平均、青が今回のコンテストのジャンル分布になります。
じゃじゃん!
おおお!! 今回はさすがにSFひとり勝ち、大バンザイの回となりましたね。SFが40%を超えておりますが、王者のヒューマンドラマの平均が22%なので、いかにSFに偏った回となったかがわかると思います。
いままで、これほどまでにお題がジャンルに影響を与えた回はなかったのではないでしょうか。
最近は作風やジャンルがマンネリにならないように、書き手の立場になってお題を選んでいるような気もします。こういうジャンル偏向のお題は分析していても面白いのでウエルカムですね。
思い返してみると、ジャンルの偏りが大きかった回は、「告白」が恋愛ジャンルに集中していましたが、それでも32%ですから今回は選考としても特別な回になったことだと思います。
ちなみに新ジャンルの恋愛ファンタジーですが、恋愛に応募された53作品のうち19作品が恋愛ファンタジーでした。
では次にジャンル別の受賞割合を示します。
じゃじゃん!
今回もさまざまなジャンルからバランスよく……いや、6ジャンルのみの選出とはすくないですね。しかもファンタジーや青春からの選出がなかったなんて異例ではないでしょうか。
実数では圧倒的SF感の回でしたので、SFが1番で15作品、続いてヒューマンドラマが10作品、恋愛が3作品、あとはそれ未満となっています。選出割合的には最近不遇のヒューマンドラマが1番でした。選出ジャンル的にもまさに人間対科学の回となったようです。
★
では、次に紹介させていただくのが、「文字数ごとに分けた場合の、応募作品の割合」になります。
こちらも昨年のコンテストの平均文字数と比較して示します。赤が昨年の平均、青が今回のコンテストの分布になります。
じゃじゃん!
ここでX軸の1から14までの数値は、読書時間、つまり文章の長さを示しています。1分あたり600文字です。
ただし、「読書時間1分」は「100から600文字」、「読書時間14分」は「7801から8000文字」と範囲が狭くなっています。
今回は平均と比べて1分作品が少なめで、文字数が若干多めに偏っています。
さすがに1分で人工知能を語るのは難しかったのではないでしょうか。
では、今度はそれぞれの文字数(読書時間)ごとで、受賞率がどう違うのかを示します。
じゃじゃん!
今回の選出作品は10分と14分が7作品ずつであり、あんまり長くても選出率は高くないという結果でした。なんとなく分布の図が「AI」って書いてあるようにも見えてしまいます。
今回、連載中は【54作品】、過激表現の応募作品は【18作品】、規定外は【9作品】ありました。
ちなみに今回は連載中からの選出が1作品ありました。
【超・優秀作品】
さて、今回の超優秀作品のご紹介です。
☆彡乃上さりさんの「Bボタン―SED(故人邂逅システム)―」
『故人と再会するためのシステムが作り上げられた日本。その故人とはAIが生前の情報をもとに創りあげたもの。けれど情報が最適化されていない「Bボタン」を押すと――。けっして美談ではなく、皮肉な物語に展開していきます。なのに読後の満足感を得られるのが不思議な物語でした!』
☆彡味志ユウジロウさんの「AI級戦犯は誰だ?」
『主人公の元に突如現れた、真夜中の来訪者。そこから始まる、AIと人間の対立。それに個性的なキャラクターと、目まぐるしく展開するストーリー。シンギュラリティを引き起こした本当の原因は? 短編とは思えないほどのたくさんの要素とネタが満載で圧倒されました。勉強にもなりますし、描画もかっこよかったです!』
さて、次回は200回記念回「これからもよろしく」の発表と思われますが、予定では9月下旬ということになっていますのでちょうど1週間後なのかもしれません。あるいはイレギュラーに違う曜日に飛び火する可能性もあります。その場合は分析が遅くなってしまうかもしれませんがご容赦頂きたいと思います。
でも200回記念回は選出作品数がいつもよりも多くなると思いますので、頑張って報告したいと思います。
本日は以上です。次回乞うご期待!
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