「ポケットの中」分析結果

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「ポケットの中」分析結果

本日は2024年3月21日に結果発表になりました妄想コンテスト、「ポケットの中」について統計を示します。 20日はお休みだったので、1日遅れの結果発表となったようです。正直、「1日早いかも」と想像して待ち構えていましたが裏をかかれました。 このお題はポケットの使い方が多種多様で、物語の方向を決定付けるアイテムが入っていたり、他人のポケットの中に自分の手や何かを忍び込ませたり。あるいはポケットの奥に別の世界が広がっているなど、いろんな使い方があったと思います。 何百作品もあるとどうしても内容が重複してしまいがちなので、独創的な使い方をした者勝ちという雰囲気があったのではないかと思います。 では、さっそく本題に入りたいと思います。 それではまず、注目の作者様は――。 多田 莉都さんの「銀貨の僕は彼女のポケットで夢をみる」が大賞!(人間以外が主人公で選出される作品は時々ありますが、それでいて人間を描けている筆力、お見事です。個人的にもお気に入りの作品でした♪) 乃上さりさんの「替え玉」が入賞!(このぞわぞわ不安を煽る書き方、やっぱりお上手ですね。それでいて救いようのない終わりではなく、むしろすっきりとした読後感、不思議な感覚に陥ります!) 瀬野凜花さんの「ポケットは想いを届ける」が佳作!(不思議でときめきありの秀作です。今後、妄コンでご活躍される作者様に違いない、と思わされる一作でした!) 夏木 蒼さんの「懐中時計の思い出」が佳作!(未読ですのであとでお邪魔します!) そして優秀作品が―― 潜水艦7号さんの「二人のハスラー」 池田春哉さんの「ポケッタブル美学」 秋月 一成の「異世界に飛ばされた俺のポケットは百円ショップとつながっている」←この世界におったわ! 桜 花音さんの「ほどけない」 和葉さんの「山口くんの秘密」 砂たこさんの「ポケット計画」 と、今回はフォロワーの作者様がしっかり選ばれておりました。そして皆様、ポケーッと待っていることなくコンスタントに作品を応募されている実力者さまばかりでしたね。(約1名を除く) まだ今年が始まらない作者様は、2週間後の「ふるえる」の発表で歓喜にふるえていただきたいと思います。 そして今回、エブリスタのコメントとしましては――。 「中身というよりはポケットそのものに重点を置いた作品が目立っており、特にファンタジー作品は読んでいてわくわくさせてくれるものが多かったです」 はい、架空世界でわくわくした作品が多かったようですが、実際のところ選出は多かったのでしょうか。あとでその疑問を解いてみましょう。 「総じて、“テーマを物語に活かす力”で明暗が分かれた回だったように思います。」 今回はお題をどう活かすか、ではなく、テーマを物語に活かすかという回だったようですね。妄コンの審査の傾向はバリエーションがあり、一筋縄ではいかないです。 それでは分析の結果に移りたいと思います。 【分析対象:213回「ポケットの中」】 【作品数 525作品】 今回は珍しく応募数が少なめでしたね。アイディアを考えては「これは他の方も書きそうだな……」と頭を悩ませた方も多かったのではないかと思います。 そして受賞作は、賞金枠3作品、佳作5作品、超短編賞1作品、続きが読みたい賞なし、それにトンデモ賞1作品、優秀作品が23作品ということで、ポケットの中に長く続く道はなかったようです。 では分析結果発表に移ります。じゃじゃん! 【全体の受賞比率 6.3%】 今回は16作品あたり1作の選出のようです。 ※ここでいう「受賞」とは、大賞・準大賞・入賞・佳作・超短編賞・続きが読みたい賞・トンデモ賞および優秀作品を指し、ピックアップルーキー賞は除いています。 では最初に全応募作品のジャンル別の割合を示します。横軸がジャンルで縦軸が割合(パーセント)になります。 今回のジャンル予想ですが――。 「ポケットの中」ということですので、恋愛(手を握る)、ファンタジー(不思議なアイテムや世界)が多かったのではないかと思います。 さて、実際のところはどうでしょうか。 では、赤が昨年(2023年)の平均、青が今回のコンテストのジャンル分布になります。 じゃじゃん! de6c17e9-046e-4f98-95cd-6f6341de528e ……あれ? ちょっと奇抜なお題だったにもかかわらず、ジャンルの分布は平均とほとんど変わりがなかったようです。 それぞれの作者様が、このお題をご自身の得意な領域に落とし込んできたということでしょうか。 では次にジャンル別の受賞割合を示します。 じゃじゃん! 0870ee19-8dff-49f4-af63-5da53870cd18 今回もさまざまなジャンルから選出がありましたが、コメディと恋愛ファンタジーは選出がなかったようです。昨今の傾向を反映してか、青春が高めとなっていました。 実数とすればヒューマンドラマが14作品という圧倒的多数で、2番目が青春で5作品、恋愛が4作品、現代ファンタジーが3作品でした。コメントされていたファンタジーは2作品であり、言うほど多くなかった感じでした。青春ストーリーが好まれる傾向は今年も続いているようですね。 では、次に紹介させていただくのが、「文字数ごとに分けた場合の、応募作品の割合」になります。 こちらも昨年のコンテストの平均文字数と比較して示します。赤が昨年の平均、青が今回のコンテストの分布になります。 じゃじゃん! c6f605cf-05fa-4358-b15e-1684bf1b6773 ここでX軸の1から14までの数値は、読書時間、つまり文章の長さを示しています。1分あたり600文字です。 ただし、「読書時間1分」は「100から600文字」、「読書時間14分」は「7801から8000文字」と範囲が狭くなっています。 今回は文字数が多めと少なめに開いた結果でした。たしかに一発ネタが書きやすいお題だったのではないかと思います。 応募時期からしますと、リアルでポケットの中におみくじやお守りを忍ばせた方もいらっしゃるのではないかと思いますが、おみくじをされた方、今年の運勢はいかがでしたでしょうか。 同じ年に二連続で凶を引いた過去を思い出します。あのときは命の危険を感じたので、横向きにして「区」ということにしました。今年の運勢は、区、と。 では、今度はそれぞれの文字数(読書時間)ごとで、受賞率がどう違うのかを示します。 じゃじゃん! c4eaecbf-259f-44f8-8469-b5eeb4335722 今回は刺さりそうな形の文字数分布となっていました。8000字までがんばらない勇気も必要なんじゃない? って思ったりしてしまいます。 今回、連載中は【22作品】、過激表現の応募作品は【5作品】、規定外は【4作品】ありました。これらの中で選出作品はありませんでした。 【超・優秀作品】 さて、今回の超優秀作品のご紹介です。 ☆彡潜水艦7号さんの「二人のハスラー」 『収賄の現場を目撃した警官の証言は信用なるか。瞬間記憶能力があるとされる警官がその能力を証明するため、ビリヤードのブレイクショットでポケットに落ちる玉をすべて見極める。だがそこには相手の策略が――。異能ともいえる高みの眼力が熱い勝負の結末、ぜひ見届けていただきたいです!』 ☆彡砂たこさんの「ポケット計画」 『同居人は家事がてんで駄目な同性の友人(♂)。幼いころから思い続けてきた相手だが、彼のポケットから甘い香りのカードを発見! 女の子には勝てないのかと不安しかない中、明かされたその意味は――。BL論外ともいえる妄コンで、複雑な心情と絶妙な距離感を醸しての選出、お見事でした!』 さて今回、僕自身は初日が来ましたが、しばらく前に100均で買い物をしながら思いついたアイディアをこの回で繰り出してしまいました。 作中で最後にランクアップしたのは、続きを読みたいと思わせる作戦でしたが、その続きを読みたいで賞が「該当なし」……。 いつもながら展開が読めない妄コンです。それとも「パロディは引っ込んでろ!」という天啓でしょうか。 ということでギャンドゥ神の次はドン・ギボーデ神による――(やめなさい!) ということで本日は以上になります。
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