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「雪の思い出」分析結果
本日は2024年4月17日に結果発表になりました妄想コンテスト、「雪の思い出」について統計を示します。
世の中はすっかり春となり、雪の季節は過去のものとなってしまった今日この頃ですが、そんな過ぎ去った季節を思い出しながら分析してみたいと思います。
雰囲気系や季節もののお題は応募総数が多くなる傾向にありますが、今回は「思い出」という制約つきで難易度をアップしたようです。「雪」「桜」「夏」「雨」など毎年恒例のお題が出てくると、改稿作品の応募も増えてしまうでしょうし、新たな条件をつけてくるのもわかる気がします。
では、さっそく本題に入りたいと思います。
それではまず、注目の作者様は――。
トコダ トコさんの「2月30日」が準大賞!(先日、宮沢賢治作品の朗読を聞いていたので運命的なものを感じました。永訣の朝を思い出して涙が……そして選評の最後の一文に納得です!)
高木アイコさんの「忘れ雪の約束」が佳作!(雪の結晶のように綺麗に構成されていて、しかも白くて切ない物語。今回のコンテストで読んだ中で最もお気に入りの一作でした。今年も絶好調ですね!)←連続選出
乃上さりさんの「雪仏(ゆきぼとけ)」が佳作!(乃上さんのホラーの不穏さは恐ろしいほどの吸引力がありますよね。夢中になってしまいますし、どれも選ばれそうな予感がしてしまいます)
そして優秀作品が――。
瀬野凜花さんの「雪の日は別れの日」
潜水艦7号さんの「Blizzard」
というフォロワーの選出結果でした。
まだまだ今年が始まらない作者様は、3週間後の「あなたを消した理由」で憂いを消していただきたいと思います。
そして今回、エブリスタのコメントとしましては――。
「全体的にシリアスな展開の作品が多く、(中略)ミステリーやホラーとの相性が良いテーマだったようです。」
といわれると、実際の応募作品や選出作品のジャンル分布が気になりますよね。このコメントの裏付けが一目でわかるというのは分析のメリットだと思いました。
「必然的に過去と現在が絡み合ったお話が多数あり、構成力など作者の筆力と呼べる部分がより顕著に表れていたように感じます。」
たしかに選ばれた作品はなかなかうまく構成されており、完成度が高かったり味付けが濃かったように思います。全作品、読み解いて選考している運営の皆様、いつもありがとうございます♪
それでは分析の結果に移りたいと思います。
【分析対象:215回「雪の思い出」】
【作品数 647作品】
今回は応募数が若干多めになったようです。やっぱり雰囲気系のお題は条件付きで絞っても魅力的なのには変わりないようですね。
そして受賞作は、賞金枠3作品、佳作5作品、超短編賞1作品、続きが読みたい賞1作品、それにトンデモ賞なし、優秀作品が13作品ということで、やはり今回変更になった応募要項通り、23作品の選出となっておりました。
今回からは賞金枠の3作品以外は30作品から20作品に減ってしまいましたが、どのような配分で減るのかがとても気になっていました。蓋を開けてみますと、しいたけ栽培は衰退していなかったようでその点は安心できました。
けれどのび太のメガネを外した時の目が懐かしくなってしまいます。(33)
では分析結果発表に移ります。じゃじゃん!
【全体の受賞比率 3.5%】
今回は28作品あたり1作の選出のようです。当然ながらがくんと下がりましたね。
※ここでいう「受賞」とは、大賞・準大賞・入賞・佳作・超短編賞・続きが読みたい賞・トンデモ賞および優秀作品を指し、ピックアップルーキー賞は除いています。
では最初に全応募作品のジャンル別の割合を示します。横軸がジャンルで縦軸が割合(パーセント)になります。
今回のジャンル予想ですが――。
「雪の思い出」ということですので、恋愛やヒューマンドラマが多かったのではないかと思います。選評にあるミステリーやホラーはどうだったのでしょうか?
では、赤が昨年(2023年)の平均、青が今回のコンテストのジャンル分布になります。
じゃじゃん!
あれ? 意外とジャンルの偏りはなかったようですね。しいて言えばSFとコメディが少なかったということでしょうか。他は全体的に同等もしくは微増程度でした。
では次にジャンル別の受賞割合を示します。
じゃじゃん!
なんとエブリスタのコメントのとおり、ミステリーとホラーの選出率が抜きんでていたようです。やっぱり巧みな構成でうならされる作品が多かったのでしょうね。
実数とすれば今回、王道ヒューマンドラマが7作品、ホラーが6作品、現代ファンタジーが3作品、以下2作品でした。今回はかつての傾向をほうふつとさせる、ホラー万歳の回となりました。
なお、選出作品数が少なくなると、統計のばらつきが大きくなってしまいますが、そこは長い目で見てご判断いただけたらと思います。
では、次に紹介させていただくのが、「文字数ごとに分けた場合の、応募作品の割合」になります。
こちらも昨年のコンテストの平均文字数と比較して示します。赤が昨年の平均、青が今回のコンテストの分布になります。
じゃじゃん!
ここでX軸の1から14までの数値は、読書時間、つまり文章の長さを示しています。1分あたり600文字です。
ただし、「読書時間1分」は「100から600文字」、「読書時間14分」は「7801から8000文字」と範囲が狭くなっています。
今回は1分、2分、14分作品は若干減少し、中央寄りの文字数の作品が多めになったようです。最近は1分、2分の作品の選出がきわめて少ないのが浸透してきたのかもしれません。今回さらに選出作品数が減りましたので、頼みの綱は超短編賞ということになりそうです。
では、今度はそれぞれの文字数(読書時間)ごとで、受賞率がどう違うのかを示します。
じゃじゃん!
こっ……これは選出数減少のあおりを受けているのが短い文字数の作品だということがはっきりと見て取れます。削らなければならないとなれば、どうしても短い文字数の作品が犠牲になるのはいたしかたないことでしょう。
1分作品の選出はもはや天文学的な現象とさえ言えるのではないでしょうか。
今回、連載中は【31作品】、過激表現の応募作品は【16作品】、規定外は【12作品】ありました。これらの中で選出作品はありませんでした。
【超・優秀作品】
さて、今回の超優秀作品のご紹介です。
☆彡潜水艦7号さんの「Blizzard」
『かつてはともに同じ時間を過ごした異種族のふたりは歳月を超えて対峙する。雪の中で繰り広げられる熱くて鋭い戦いの勝敗を分けたのは――。未来を見据えて備えた者の根気強さと信念に脱帽です。哀愁が漂う終幕もエモさひとしおでした!』
※優秀作品の選出数がフォロワーの作者様の中で3作品以上あった場合、2作品を紹介させていただいております。
★
さて皆様、今回は大変気になる結果発表だったと思うのですが、妄コンの選出作品減少はやはり現実のものとなってしまいました。前回お伝えした通り、佳作~優秀作品で23作品となったようですが、しいたけの産出量が減らなかったのはさいわいで、その点は安堵しています。
おまけになんだか分析が軽くて楽だぞ!? とも思いましたが。
なお、どうでもいいことかもしれませんが、以前エブリスタのオフィスは河出書房新社の本社と同じく渋谷にあったのですが(9周年パーティーを行ったヒカリエです)、現在は移転し、親会社となったメディアドゥとおなじところになっております。
解釈については差し控えますが……なんだか5分の哀愁が漂う今日この頃です。😣
ということで本日は以上になります。
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