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「ファンタジーコンテスト」は本当にファンタジーのためのコンテストか?
今回は、「あなたの小説が五ページ分漫画に!ファンタジーコンテスト」およびその前身である「次に読みたいファンタジー」は本当にファンタジーのためのコンテストか?
ということについて、2回にわたって検証したいと思います。
このコンテストの受賞作品を見ていますと、ファンタジー系が多いような気はしますが、あえてエブリスタでコンテスト受け皿が少ないファンタジーを多く受賞させているのか、それともジャンルはなんでもよいのか、この辺は気になるところだと思います。
そこで、まずは分析対象ですが、結果が出ている直近から逆算してゆき、「あなたの小説が五ページ分漫画に!ファンタジーコンテスト」の3つ、「制服を着た主人公」「ドラゴンモンスター」「和装主人公」 および前身である「次に読みたいファンタジー」の3つ、「神様」「恋愛ファンタジー」「時を越えて」の連続6回分としたいと思います。
それではまず最初に、応募作品のジャンルの偏りについて示したいと思います。
「和装主人公」については前回提示しましたが、それぞれ予想しながら見てゆくと面白いと思います。
【制服を着た主人公】
290作品の応募がありました。若干少なめの回となっています。
制服ということで学校を想定して、恋愛や青春が突出してくるかと思ったのですが、ファンタジーおよび現代ファンタジーが抜きんでています。
【ドラゴン モンスター】
427作品の応募がありました。
ドラゴンやモンスターということでいわゆる異世界系ファンタジーが多かったと思われます。
しかし、ここまでファンタジーだけが突出しているとは予想だにしませんでした。
妄想コンテストとは明らかに異なった分布を示しています。
【和装主人公】
377作品の応募がありました。
前回お示ししたグラフです。
こちらもファンタジーが突出していますが、和装ということもあって、歴史の作品が二番目になっていました。
歴史がここまで頑張るなんて、非常に珍しいことです。歴史大好き作者様に喜ばれたことでしょう。
【神様】
566作品の応募がありました。ここから下が「次に読みたいファンタジーコンテスト」です。
やはりここでもファンタジーおよび現代ファンタジーが突出しています。
大きく離されて3番目だったジャンル、恋愛は、神頼みの恋というものが多かったのではないでしょうか。
神様にすがるようではいけません、自分で道を切り開きましょう。
【恋愛ファンタジー】
379作品の応募がありました。平均的です。
ついにここでやっと恋愛が2番目に躍り出ました。恋愛というお題なのに恋愛が一番に来ないということは、応募層が妄想コンテストとはだいぶ違うのかなぁとも思いました。
【時を超えて】
378作品の応募がありました。平均的です。
時を超えるという不思議いっぱいのシチュエーションに、ファンタジー以外のジャンルの作品も多く見られました。これまた歴史が頑張った回となっております。JINの影響が多少なりともあったのかもしれません。アシガールはまだ放送されていなかった頃ですよね。
このように応募されてくる作品だけ見れば、ファンタジーに的を絞ったものが大半のように思えます。
正確に言えば、ファンタジーと現代ファンタジーだけで、集計した2417作品中1372作品、全体のおよそ58%を占めていました。
応募されてくるカテゴリーだけ見ても大半がファンタジー系ということで、応募作品は非常にファンタジー系に偏っていることが分かりました。もちろんコンテストの意図を汲んで、作者がジャンルをそのように設定している場合も多々あると思いますが。
ちなみに妄想コンテストの場合は、ファンタジーと現代ファンタジーの合計で13%となっています。意外と少ないですよね。
さて、重要なことは、それぞれのジャンルでの受賞率がどうかということと、それが三村氏を含む審査とエブリスタの審査で違うかどうかという点だと思いますので、その点につきましては、次回の検証としたいと思います。
本日は以上です。
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