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執筆応援キャンペーン分析・其の参
前回は執筆応援キャンペーンの発表直後のものについて分析させていただきましたが、受賞作品の文字数の分布で結果に乖離がみられました。
ですので、最初に分析対象としました「結婚/夫婦/家族の秘密」のもうひとつ前の、「ほっこり/ゆるいホラー」も分析してみたいと思います。
フォローさせていただいている方の受賞が多かったということもありますので。
そして、執筆応援キャンペーンの流れと、次にくるお題の予想をしてみたいと思います。
※立体のグラフはどうも見た目でずれるので、2Dのグラフにしました。
それでは最初に恒例の、応募作品のジャンル別割合を示します。
今回はお題がお題だけにホラーが突出していましたね。
次いでファンタジー系となっておりました。
お題によって応募される作品のカテゴリーは違ってくるのは明らかですが、これにつきましては最後で補足したいと思います。
今回は応募総数362、受賞作品数は20となっております。(受賞率5.5%)
応募数はやや少なめとみてよいでしょう。
受賞作品はホラーが12、現代ファンタジーが3、コメディ、ヒューマンドラマが2、SFが3、そしてBLが1であり、ホラーが主役の回となっています。
それでは本題の、文字数ごとの応募数と、それぞれの受賞率を示したいと思います。
まずは応募作品の文字数なんですが、集計しました2020年8月8日の時点で、以下のグラフのようになっています。
今回もまた、文字数が2万字以下で規定外となっている作品が結構な割合で存在しました。全体のなんと38.7%にも及びました。無論、2万字未満で受賞できている作品は前回同様ございません。
そして、応募規定を満たすものとしては2万字以上かつ1時間以内で読めるものが最も多いようですね。
さて、次が重要な、文字数と受賞率の関係を示したグラフです。アプリを使うと左右のフリックで図を比べやすいですね。
今回は、1時間以内で読める中編(36000文字未満)が最も高い比率を占めていました。3つの平均を出してみますと、やはり短めの作品に分があるようです。妄想コンテストと逆の結果であることは、明らかに意図したものと思われます。
そうなりますと、物語の長さに合わせて応募するコンテストは選ぼうとか、妄想コンテストで駄目だった作品も頑張って2万字以上まで育てようとか、受賞の為の作戦をいろいろと考えさせられます。
(考えたのに実行していないものぐさな人がここにいますが)
さて、次に行きます。
今回も前回同様、執筆の年代別に受賞率が異なるかどうかを検証してみました。最終更新日ごとに分類し、受賞に差が出るかを検証しています。
まずは全作品の中の最終更新日です。
やはり前回同様、今年に入ってから新規投稿あるいはアップデートされているものが大半を占めますが、2018年以前のものは11.9%ありました。最も古いものは2014年でした。
そして年代別の受賞率ですが、それが以下のグラフになります。
2018年以前が低めに見えますが、応募数が少ないため明らかに低いとは言えませんでした。Fisher検定を行ったところ有意ではありませんでした。
その他の分析ですが。
完結によって結果が異なるかどうかですが、今回はしばらく前に発表されたコンテストだったため実施しませんでした。
それから、過激表現の作品は22作品(6.1%)ありましたが、3作品(過激表現作品の13.6%)が受賞しておりました。
前回の分析でも過激表現の作品の受賞はございましたが、過激作品の受賞はすべて佳作でした。
妄想コンテストを含め、過激作品で賞金枠の受賞を経験した方っていらっしゃるのでしょうか?
自分の記憶にはございません。
ということで、この統計学をお読みくださった皆様は、「執筆応援キャンペーン」における受賞作品の傾向がお分かりいただけたのではないかと思います。
ところで、執筆応援キャンペーンというものが、タイトル通り作者のモチベーションを上げるためのキャンペーンであれば、対象となるジャンルも幅広くカバーされていなければいけないことになります。
したがって、執筆応援キャンペーンはジャンルをローテーションしている可能性が高いと思われます。
それを検証するために、過去のキャンペーンのお題を振り返ってみました。
ところで執筆応援キャンペーンの大賞は、賞金以外についてくる特典がありますよね
当初は創作に対するアドバイスをメールでやり取りすることができるというものでした。
次に「真夜中のラジオ文芸部」で作品を朗読してもらえるというものでした。
「エブリスタの秘密」の44ページで「真夜中のラジオ文芸部」の意義について語り、そして68ページの「嗚呼、哀愁漂う壊れかけのラジオ。」でその目論見が外れていたのだろうと語っています。
その後、一回分の間を置いてリニューアルされた執筆応援キャンペーンの特典は、キングダム社のポメラニアンでしたっけ?になりましたね。
さて、それでは現在から後ろ向きに、お題について振り返ってみましょう。
栄光と没落
架空の法律
同居・共同生活・居候
男性視点の恋愛
リベンジ・成り上がり
結婚・夫婦・家族の秘密
ほっこりゆるいホラー
フェチズム
甘々・じれじれ・べた惚れの恋愛
子育て・子供主人公・幼児化
痛い・切ない青春
スパダリ・溺愛・ハートフルなBL
苦しい恋・禁断の恋
ハーレム・逆ハーレム
本・図書館・本屋さん
犯罪・サイコ・サスペンス
犬・猫・モフモフ
神様・悪魔・あやかし
学校・友達・放課後
いびつ・奇妙・不思議な恋
現代の魔法・魔術
終末・退廃・ディストピア
陰陽師・人外・異形
そしてそれ以前は「執筆応援キャンペーン」ではなく「ジャンル応援キャンペーン」となっております。
こう見てみますと、現在では応募作品の絶対数に合わせて恋愛系が多いですが、あらゆるジャンルからアプローチ可能なお題や、同じジャンルでもフォーカスを変えていたりと、なかなかどうして今後の予測は難しそうです。
ただ、カテゴリーとして、最近見られていないものでしたら、やはり「歴史・時代」そして「SF」ということでしょうか。
とはいえ、この統計学をお読みに下さる方は本当にハイレベルな方が多く、筆も滑らかでしょうから、お題の予測なんて必要ないのかもしれませんね。
本日は以上です。
明日は水曜日なので、「エブリスタの秘密」の更新になります。
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