○文字~○文字程度ってどの程度?

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○文字~○文字程度ってどの程度?

今回は長編小説のコンテストで表示されている、応募要項の「○文字~○文字程度」の範囲がどこまで許容されるのかについて、検証してみたいと思います。 実は以前に「エブリスタの秘密」で一つのコンテストで応募作品の文字数について触れたことはあったのですが、その際、2019年に行われたエブリスタ主催の長編小説コンテストについて、優秀作品以上の文字数がどうであったかについて振り返ってみたいと思います。 文字数の下限値については、シリーズ作品になっているものは第1話のみが応募作品となっているものもあり判断は難しかったです。ただ、以前の検証では、下限値以下の文字数のものは優秀作品に一つも選ばれていませんでした。 ですから、下限値については規定範囲に到達している必要があると考えられます。 重要なのは上限値の「○文字」の範囲ですので今回はこれを検証します。 また、以前のコンテストの応募作品を振り返っていますので、実体とはそぐわない可能性があります。 現在、作品を非公開にした場合、作品は読めないものの文字数は表記されているので、検証の対象となりましたが、ユーザーアカウントもしくは作品が削除されたものなのか、「0文字」と表記されているものは検証ができませんでした。 また、加筆により文字数が応募した時点より増えている可能性もあります。 したがって、優秀作品以上に選出されている100作品の文字数の範囲を確認し、また上回るものについては、応募時点以降で更新されていないかどうかを確認してみました。 「光文社」 優秀作品以上100作品を対象に検証。 10~12万文字程度、と記載。 12万6000文字台が3作品 12万7000文字台が1作品 12万8000文字台が3作品 12万9000文字台が3作品 以降の文字数での優秀作品はありませんでした。 一つだけ文字数を大幅に超えたものがありましたが、これは応募した後に加筆したものであろうと思われます。 下限は10万字ぴったりと思われます。 「ピュアラブ小説大賞」 10~12万文字程度と記載。 ピュアラブは不思議なことに、8万字をわずかに超えたくらいから優秀作品の分布があり、13万字ぎりぎりまで多く分布していました。 それを超える作品も9編あったのですが、更新されたものが多く、また更新されていてもページが増えていない場合は日付が更新されないので、加筆している可能性は否定できませんでした。(おそらくその線が強いと思います) しかも、下限につきましては8万字ちょっとから最終候補の対象となっています。 したがって、ピュアラブについては-2万字~+1万字が審査の対象になっていたと見るべきでしょう。 「ナツイチ」 ナツイチに関しては「10から15万字の小説であること」と書かれていて、「程度」という表記がなかったです。 実際に、優秀作品以上で15万字を超えていたものは1作品のみで、なおかつこの1作品は最近更新されていました。ちなみに下限は10万字以上でした。明らかに規定のラインでばっさり切っています。 「最恐小説」 最恐小説大賞については、ナツイチ同様、「10から15万字の小説であること」と謳っており、それを越えたものはひとつもありませんでした。こちらも規定の文字数でバッサリです。 「スターツ」 スターツに関しては、「8万字以上13万字以内」と謳っており、その範囲外であった作品は優秀作品以上には入っていませんでした。一つだけ13万文字を少し超えたものはありましたが、これも今年に入ってから更新されていましたので、応募時は範囲内だったと思われます。したがってばっさり切っていると考えた方がよいと思います。 結論として、「○文字~○文字」と断定的に書かれているものに関しては、その規定内でない作品に対して温情はない、つまり、審査対象として読まれることはないと思った方がよいでしょう。 「○文字~○文字程度」の「程度」に関しては、上限は最大1万文字まで許容されると思われますが、この点は保証がありません。 下限値については、光文社では引き下げはなく、ピュアラブでは引き下げられています。 各コンテストでカットラインの文字数が決められており(「程度」の表記の場合は、実際には応募作品が集まった後に決めている可能性が高い)、その範囲外であるものにつきましては、審査対象としていないと考えるのが妥当です。 したがって、文字数をオーバーするくらいであれば、まるまるどこかを抜いてしまった方がよいくらいなものです。 ピュアラブについてはなぜ、かなり少ない文字数まで優秀作品に入っていたかについては理由がありそうですが、その点についてはすでに推定できています。 けれども、統計とは異なる視点になりますので、「エブリスタの秘密」の方で解説したいと思います。 本日は以上です。
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