「また会えたね」分析結果

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「また会えたね」分析結果

本日は2023年7月5日に結果発表になりました妄想コンテスト、「また会えたね」について統計を示します。 「また会えたね」というお題を物語に落とし込むと、「別れ」と「再会」が1セットとしてやってきますから、そこそこの長さの物語が必要になりそうです。どんな背景を持った再会だったのか、それが心理的にどのような影響を与えたのか、似たような物語が集まりそうな中でどれだけ特異性のある物語を描くことができたかが評価の分かれ目になるのではないかと思いました。 選出された作品は、きっとこのお題を上手に生かし、ハッピーでもバットでも感情の振れ幅の大きな物語に仕上がっているのではないかと思います。 では、さっそく本題に入りたいと思います。 それではまず、注目の作者様は――。 仁科佐和子さんの「星に願いを」が佳作!(妄コンについてエブリ流れ星に願うなら、「しいたけ・賞金・5分に載りたーい!」でしょうか。仁科さんはその星の下に生まれた気がします。作品とは関係ありませんが) 桜 花音さんの「想い出のカード」が続きが読みたい賞!(青春の描き方が上手な作者様だと思っていましたが、ここできましたね! エブリスタのコメントが言っているめにつきやすかった青春作品とは、きっと大賞とこの作品のことでしょう) そして優秀作品が――。 蒼生光希さんの「足音が止まる朝」 仁矢田 美弥さんの「また会いたい、必ず。」←連続選出! ななせハチミツさんの「ストックホルムはまだ遠いけど」 と、今回もたくさんの……いや、さすがに少なかったですね。 それもそのはず、応募総数が多く激戦だったでしょうから。 涙を飲むことになった作者様は、新たなご自身の道を模索しつつ、次回の「道」でしいたけの収穫を目指されてください。 そして今回、エブリスタのコメントとしましては――。 「また会った、ではなく「会えた」。その微妙なニュアンスの違いに含まれる喜びの感情をいかに表現するのか、どう物語に深く絡ませていくのか?」 ですよねー。偶然の織りなす産物の再会ほどドラマチックに映ったことでしょう。 「今回特に目につきやすかったのが青春系作品。かつての同級生との再会、そしてその関係性の変化という点が、お題に落とし込みやすかったのかもしれません。」 というように、僕が分析して言うようなことが書かれていたのですが、本当にその印象は正しかったのか、結果は後述したいと思います。 それでは分析の結果に移りたいと思います。 【分析対象:196回「また会えたね」】 【作品数 786作品】 一発ネタでは終わらない物語だったはずですが、応募総数はだいぶ多かったようですね。最近はレベルの高さだけでなく応募総数の多さも難易度に拍車をかけているようです。 そして受賞作は、賞金枠3作品、佳作5作品、超短編1作品、続きが読みたい賞1作品、それにトンデモ賞なし、優秀作品が23作品ということで、しいたけにまた会えた方は10名となったようです。 最近はきっちり33となっておりますので、たぶん常に補欠が1,2作品用意されているのではないかと思います。 では分析結果発表に移ります。 じゃじゃん! 【全体の受賞比率 4.2%】 今回は24作品あたり1作の選出でした。 ※ここでいう「受賞」とは、大賞・準大賞・入賞・佳作・超短編賞・続きが読みたい賞・トンデモ賞および優秀作品を指し、ピックアップルーキー賞は除いています。 では最初に全応募作品のジャンル別の割合を示します。横軸がジャンルで縦軸が割合(パーセント)になります。 今回のジャンル予想ですが――。 「また会えたね」ということですので、感動的な再会のヒューマンドラマ、それにおどろおどろしいバッドエンドのホラーが多かったのではないかと思います。恋愛については……うーん、多いかもしれないですね。 さて、実際のところはどうでしょうか。 では、赤が昨年(2022年)の平均、青が今回のコンテストのジャンル分布になります。 じゃじゃん! 89eebc78-0bde-44bb-850e-999788b2fffb 選評にあった青春は全然増えてなかったやん! 今回増加が際立ったのは青春ではなくて恋愛やん! と突っ込みたくなりました。 恋愛は似たストーリーが集中しやすいので、妄コン経験の多い方は結構避けていると思ったのですが。ただ、ヒューマンドラマやホラーの増加は予想通りといったところでした。その他のジャンルが軒並み横ばいから微減とったところでしょうか。 前回の「たまご」では恋愛が少なかったので、恋愛フラストレーションの方がここでネタを思いっきり吐き出したのかもしれません。 さらに恋愛に応募された146作品のうち31作品は恋愛ファンタジーであり、ここに来て恋愛ファンタジーが短編でもぐっと数を増やしてきました。もしかするとこれからは恋愛ジャンルがコンスタントに多くなるかもしれませんね。 では次にジャンル別の受賞割合を示します。 じゃじゃん! 9cd47246-ae82-4f5e-bbc2-461a240a90bc 今回もさまざまなジャンルからバランスよく選出がありました。(BLはいつも不遇ですが)でも青春の選出率が高く、良作が集まったため印象が強かったのではないでしょうか。 エブリスタのコメントの「目につきやすかった」という表現は何か変だと思ったのですが、「目についた」とはまた違うニュアンスで、「目をつけた作品が多い傾向にあった」ことを意味しているのかもしれません。 実数とすれば鉄板のヒューマンドラマが8作品で一番多いのですが、青春とホラーが6作品、恋愛が4作品となっていました。梅雨明け前なのに猛暑ですし、肝を冷やしてくれるようなホラーが望まれているのかもしれませんね。 ★ では、次に紹介させていただくのが、「文字数ごとに分けた場合の、応募作品の割合」になります。 こちらも昨年のコンテストの平均文字数と比較して示します。赤が昨年の平均、青が今回のコンテストの分布になります。 じゃじゃん! 3f38cdcb-75b0-428a-8b65-de3162c54eaa ここでX軸の1から14までの数値は、読書時間、つまり文章の長さを示しています。1分あたり600文字です。 ただし、「読書時間1分」は「100から600文字」、「読書時間14分」は「7801から8000文字」と範囲が狭くなっています。 今回は応募総数が多かった割には文字数の平均も多かったようです。やっぱり一発ネタでは難しいお題だったのではないかと思います。なぜか6分作品だけが結構多く、もしかしたらカップラーメンを食べようとした時に再会し、その場でもう1人分作ったのかもしれませんね。(なんだそりゃ!?) 最近は14分作品が減っているようですが、今回は昨年までの平均と同じくらいの割合はあったようです。今年の中では最も14分作品が多い回になったのではないかと思います。別れと再会の両方を書いているうちに8000字を超えてしまい、作品も多かったのではないでしょうか。 では、今度はそれぞれの文字数(読書時間)ごとで、受賞率がどう違うのかを示します。 じゃじゃん! 3470264e-f031-4be0-8c72-8d675f740449 やっぱり不遇の2分以下は健在なようです。最近は毎回この形になっていますので、選考の方としては偏らないように涙ぐましい努力をされているのではないかと思いました。その結果、人知れず涙を飲むことになった作者様もいらっしゃるのでしょう。 今回、連載中は【51作品】、過激表現の応募作品は【16作品】、規定外は【12作品】ありました。 ちなみに今回は連載中から1作品の選出がありました。 ★ 【超・優秀作品】 さて、今回の超優秀作品のご紹介です。 ☆彡ななせハチミツさんの「ストックホルムはまだ遠いけど」 『恋人の女性と愛に満ちた生活を送る主人公だが、物語は不穏な雰囲気に包まれ唐突に事件は起きる。けれど愛を貫く一途な主人公は困難を乗り越えて……という物語ですが、ジャンルはホラーです。』 本日は以上になります。
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