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その気持ちは、いまの大悟を見ても変わらない。 「……あのとき、いや、ずっと思ってきた。きみと再会出来たら、一緒にいようと。だけど」 ここで言葉を区切った大悟は、さらに続けた。 「けど、ぼくたちはもう一緒に同じ時間を歩むことは出来ない」 気持ちは当時のままだ。 それでも、ふたりの間の三十一年という時の隔たりは、縮めることの出来ない距離そのままだった。 「あれから、美砂さんには会えたのかい?」 「ううん。同じ時代にいるはずなんだけど、わたしには彼女の居場所はわからないの。美砂は言ってたわ。この時代でわたしと会ったことはないって。それでも、約半年しか時代は変わらないんだけど………。だから、あの日が最後だったのよ」 「ぼくはね、由美子」 大悟が由美子の手に自分の手を重ねる。 「ぼくは、きみに感謝している。きみのおかげで、ぼくの夢は叶った。結局、ぼくたちは同じ時間を歩むことは出来ないけど、こうしてまたきみと逢えた。それだけで、ぼくは待ったかいがあったよ」 そして、その手の力をさらに強める。 「元気で。きみとあのとき会って、そして愛したことはぼくの人生のなかで、かけがえのないものだ」
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