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「わぁ…ゆきちゃんスゴーイ!」
『うん…凄いね…。』
休憩後に移動した25mプール。
コースロープ無しのフリースペースで、ビーチボールで遊ぶ子供達がチラホラと。
そのすぐ横、コースロープで仕切られたコースを、クロールで滑るように泳ぐ柚希さんの姿。
サッカーの時のぎこちない動きが、まるで嘘のように、ムダの無いキレイなフォーム
。
「ゆきちゃん、グーン…って行くね。」
『うん。グーン…ってね。速いね。』
「うん、速いね。格好良いね…。」
『格好良いね…うん。綺麗?格好良い?』
「格好良いし、綺麗。」
『うん、そうね…。』
わたし達は、暫し呆然と、柚希さんの泳ぐ姿を見ていた。
「フゥー、疲れた。久しぶりに泳いだよー。」
急遽、簡単に一纏めにした髪のゴムを解き、やはり急遽売店で購入したゴーグルを額にズラすと、柚希さんは大きく息を吐いた。
プールから上がり、足を浸けたまま縁に座る柚希さんを、二人しゃがんで取り囲む。
「ゆきちゃんスゴイじゃん、速いじゃん!格好良かったー!」
『うん、びっくりした。別人みたいだったもん♪』
「それ、喜んでいいの?」
柚希さん、本日2回目の苦笑い。
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