彼女と線香花火

わたしで、よければ…

10月下旬月曜日。

幼稚園の運動会やバス遠足も無事終わり、季節はすっかり秋。

「ゆきちゃーん。今度の土曜日、一緒にお出かけしたい！」

週の頭から、我が家で一緒に夕食を取っていた柚希さんに、悠が言った。

「お出かけ？別にそれは大丈夫だけど…。悠君、何処か行きたい所でもあるの？」

柚希さんが、食べていたカレーのスプーンを置いた。

『あぁ…多分それね、遠足で行ったところだと思う。優待券貰ったの。そうだよね、悠…？』
「うん。ヤギさんにエサあげたり、ウサギさん抱っこしたり出来るんだよ。シープドッグ？あれっ？何かね…ヒツジさんがいっぱい走るのとか…。」

「ふーん…。悠君、楽しかったんだ？」
「楽しかった♪だから今度は、ゆきちゃんと三人で行きたいんだー。いい…？」

「もちろん♪じゃあ、午前中から行こうか？」
『えっ、でも柚希さん写真教室…』

「たまには休んでもいいでしょ？秋だし、良い写真いっぱい撮れそうだし…。」
「わーい、ヤッター！」

悠さん、スプーンを持ったまま手を挙げないの。(汗)

『柚希さん、ありがとう。』
「ううん。そのかわり、おいしいお弁当を、その……お願いしたいなぁ？…なんて。」
『OK、まかせて。おいしいお弁当作っちゃうから♪』

「「ヤッター！」」

ということで、週末のお出かけが決まった。