わたしで、よければ…

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お弁当を食べ終えたタイミングで、 「お母さん、おしっこ…。」 「分かった。じゃあ、ゆきちゃんとトイレ行こう。まだお母さん、お弁当食べてるから。ね…?」 「うん。」 『えっ、いいの?大丈夫…?』 「うん。まだ智さんお弁当残ってるし、ゆっくり食べて。じゃあ、行ってくるね。」 「お母さん、行ってきます。」 『うん、分かった。柚希さん、お願い…。』 スニーカーを履き、二人は手を繋いで、少し離れたトイレに向かって歩いて行った。 『はぁー、気持ちいいな〜。』 残りのお弁当を食べ終え、両手を突き上げ大きく伸びをする。 広い芝生には、同じようにレジャーシートを広げている家族や、ボール遊びをしている家族があちらこちらに…。 “わたし達って、どんな風に見えているのかな? 姉妹と親子? それとも、いびつなりに家族に見えているのかな?” わたしは、青空の下、漠然とそんなことを考えていた。
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