わたしで、よければ…

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「お母さーん、行くよー!」 『OK、いいよー!』 二人がトイレから戻ると、少し休憩してから片付けをして、フリスビーで遊ぶ。  100円ショップで見つけた、悠が好きなキャラクターのやつ。 そんなに飛ばないけれど、ちょっと遊ぶくらいなら全然問題無い。 むしろ、飛ばないから危なくない。 周りに人がいない芝生の上に、三人で三角形のかたちに広がる。 『はい、柚希さん行くよー。』 「いいよー。」 「じゃあ、悠君行くよー。」 「いいよー!」 「じゃあ、今度は悠君ゆきちゃんに投げて。逆回りねー!」 「分かったー。ゆきちゃん行くよー!」 「OK。わぁ!おっと…あっ、すみません、大丈夫で……」 悠が投げたフリスビーがかなり逸れて、1歳位の小さな男の子を先頭に歩いていた、ご家族の目の前に…。 『すみません、大丈夫でしたか?ボク…大丈夫?ゴメンね。』 「ゴメンなさい。」 「全然大丈夫です。この子も、急にそちらに向かって走り出しちゃって…。ゴメンなさい。」 「桜…。」 「どうも…。夏ぶりだね、柚希…。」 『桜…さん?』 「はじめまして。柚希の幼なじみの桜です。」 偶然会ったご家族は、柚希さんの恋人だった、桜さんのご家族だった。
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