わたしで、よければ…

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「悠君は、柚希のことが大好きなんですね…。」 沈黙を破ったのは、桜さんだった。 『えっ…?はい…大好きですね。そう見えますか?』 「見えます。悠君、凄く楽しそう♪」 可愛い丸眼鏡に、黒の大きめなリュックを背負い、長いブラウンの髪を高い位置で1つに纏めている桜さん。 桜さんと、二人がフリスビーで遊ぶ姿を、ただ眺めていた。 「柚希、あんな風に笑えるんですね…。あんな表情、わたし…はじめて見ました。」 『えっ?あんな風にって、その…』 「初対面でこんなこと、不躾なのは充分承知しています。でも……柚希のこと、よろしくお願いします。」 『えっ…。』 「お願い…出来ますか?」 『桜さん…。』 桜さんが、わたしの方を向き、小さく頭を下げた。 『分かりました。わたしで、よければ…。』 「よかった…。ありがとうこざいます。」 それから暫くして、戻って来たご主人と抱っこを交代した桜さんは、笑顔で帰って行った。
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