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『お願いされちゃいました…。』
目線を外し、悠を見ながら呟く。
「お願い…?」
『うん、そう…。』
わたしは、前を向いたまま話しを続けた。
『頭を下げてね、“柚希のこと、よろしくお願いします。”って…。』
「えっ!嘘……。桜が、そんなことを…?」
『うん。全然嫌な印象は受けなかったな。』
「……。(泣)」
「お母さーん!ハァ…もう1回、乗っていい?」
『いいよ。はい100円。でも、走らなくていいから…転んだら嫌でしょ?』
「はーい!」
悠は、今度は跨がるタイプのスポーツカーに決めたらしい。
コインを入れ、すぐに走り出した。
「それで、智さんは…何て応えたの?」
『知りたい?』
「うん、知りたい。」
柚希さんが、こちらを向いているのは分かってはいるけれど、わたしは悠の方を向いたまま続ける。
『わたしで、よければ…。』
「わたしで、よければ…?」
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