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暫くして、
「わたしもね…智さんに、その…渡したい物が、あって…。」
急に真剣な表情になった柚希さん。
しかも、コタツから出て正座に。
『えっ!何…どうしたの?』
わたしも思わず正座になり、身構えてしまった。
「と、智さん。」
『はい。』
「……。」
『柚希…さん?』
柚希さんが、完全に固まっています。
大丈夫かな??
『大丈夫?』
「あの、出来れば…冷たい水か何か、1杯頂けたら…。」
『えっ!あぁ…冷たいのね、ちょっと待ってて。』
わたしは小走りでキッチンへ。
冷蔵庫から、お茶のペットボトルを出しコップに注ぐと、それを持ってリビングへ。
『はい、お茶どうぞ…。』
「ありがとう。…ん…ん………ハァ!ごちそうさまでした。」
柚希さんは、一気にお茶を飲み干し、そう言うと、髪の乱れを直し、背筋をピンと伸ばした。
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