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『そんなにオドオドしなくても。(笑)デキる女風は?どうしたの…?』
そう言いながら、柚希さんの手を握った。
「それは、ね……。緊張するよ、わたしだって人並みに。(汗)怖いし…。」
苦笑いの柚希さん。
『はい…。』
「……。」
スエードのケースを差し出し、右手を出した。
『指輪、嵌めてくれるんでしょ?』
「えっ!今ここで、嵌めて…くれるの?」
『覚悟とかそんなのは、まだ全然無いし分からないけど…。わたし、結構柚希さん好きだし。だから、はい…。』
「智さん…。(泣)」
柚希さん涙腺崩壊。
わたしも、つられて少しだけ涙が…。
柚希さんがプレゼントしてくれたのは、普段使いが出来そうな、一粒ダイヤのシンプルなプラチナリング。
「はい……これでいい?」
『ありがとう。わぁー、綺麗…。』
柚希さんが、ケースから出した指輪を、ゆっくり右手の薬指に通してくれた。
サイズもピッタリ。
右手をかざし、キラキラ光る指輪を眺める。
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