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『本当に…わたしでいいの?』
「また聞くー。智さんがいい。智さんじゃなきゃ、わたしはダメなの。いつも言ってるでしょ?」
柚希さんが、太腿の上に置いていた右手を、ギュッと握ってくれた。
『ありがとう、柚希さん。指輪貰えるなんて、思ってもみなかった…。』
「わたしは渡したかったよ。ずっと前から…。智さん、わたしのそばにいて。わたしを、智さんの最後の恋人にさせて。」
そう言って、柚希さんは膝立ちになり、わたしを抱き寄せた。
『フフフ…キメたね。(笑)』
「からかわないで…大真面目なんだから。」
『これからも、悠共々よろしくお願いします。』
「こちらこそ…よろしくお願いします。」
抱き寄せた腕に、力を込める柚希さん。
そして、
柚希さんが身体を離し、わたしの短い髪を撫でながら、優しく見つめてくれる。
「智さん、大好き。」
『わたしも、大好きだよ…柚希さん。』
両手の指を絡めながら、おでこをくっつけ合う。
『キス…して。』
「どこに…?」
『どこにでも。柚希さんのしたい所に、したいだけ…。』
「了解。じゃあ、いっぱいしちゃおう♪」
柚希さんは、鼻先と唇にチュッと軽くキスすると、首筋に顔を埋め舌を這わせながら、わたしを押し倒した。
『…ん…ハァ……。』
「智さん、可愛い…。」
やっぱり今夜も、すぐには眠らせてもらえないみたいだ。
『彼女と線香花火』 おわり
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