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「白き鱗の〜……♪」
静かな、恋人を褒め称える為の歌。
それを懸命にカエルは歌う。
「かえる、ジョウズ〜!」
「すごいわ!歌えるようになったのね!」
「……アナタ…」
個々にカエルに称賛を贈る。
「カエル、こんなにうまく歌えるなんてね?」
魔女はそうヘビに笑いかけた。
「…エエ、知ラナカッタワ…キット、トテモ頑張ッタンデスワネ…!」
ヘビは胸がいっぱいというような表情で涙をこぼした。
「ろーぜ!抱キシメテ!」
魔女が眠る用意を済ませると、いつものようにコウモリが来た。
「まだ早いわ。」
落ち込み、うなだれるコウモリを苦笑して抱きしめ、目を閉じる。
「落ち着くわ……。…明日もね、あんたのおかげでいい魔法ができそうよ?」
「…!!」
コウモリは闇をまとい、人間の姿になった。
「ありがとうローゼ…!!俺も早く、いつもの姿で言葉うまく操れるように頑張る!!」
「…あんたは、そのままでいいわよ…」
「え??」
「いつもの姿も、その姿も、そのままだって好き…!」
魔女はコウモリに笑いかけ、そっと口づけた。
「しっかりしてよね、私は好きになったら離さないんだから。」
魔女は照れながらも懸命にそう言った。
「俺、ローゼのことが大好きだからね!頑張って『恋人』でいるよ!」
真っ直ぐで懸命なコウモリの言葉に、胸が熱くなる。
「全く…あんたは……ありがとう…!」
今夜も魔女はコウモリに恋をして朝を迎えるのだった。
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