魔女は今日も、忙しく恋する!

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魔女はコウモリを抱きしめながらそう言った。しかしコウモリはなおも泣き続ける。 「ゴメンナサイ…!俺、ろーぜニ、闇ノチカラ、アゲラレテナイ…ろーぜノ魔力、不安定ナノニ…何モシナカッタ…」 「え…?」 コウモリの闇の力と魔女自身の魔力、何のことかと思った。 「…死ニカケテル時、優シク治シテクレタカラ、俺、願ッタ。ろーぜ魔力困ッテタラ、俺ノ使エル闇ノチカラ、ろーぜノ魔力ニ、ッテ。」 初めて聞く、闇の力の変換の話に、彼女は驚く。 「あんた、今までそんなこと一度も…!なんで私のためになんか無理するのよ!!」 「ろーぜ、優シイ……俺、ろーぜノチカラニナリタイ…」 「…なんで私、気づかなかったの…?あんたがこんなに……ありがとう…コウモリ…!」 次の日、魔女は変身したコウモリと仲良くホウキに乗って、月を見ながら出掛けた。 「落ちないでよ?あんたはのんびりしているんだから。」 「俺はコウモリだから飛べるよ?」 「今は人間の姿に変身中でしょ!」 「そうだったね〜。」 二人は笑い合いながら、人間たちの住むあたりに差し掛かった。 「あ……」 誰かの家から、インキュバスが出てくるのが見えた。 「あぁ、ローゼ。…恋人かな?」 近付いてあいさつをすると、いつもの調子の穏やかな彼だった。 「…そうよ。」 魔女は彼を見据えて答える。 「君も隅に置けないね。……あれ…?」 笑って言ったインキュバスは、すぐに何かに気付き、 人間姿のコウモリに声を掛けた。 「あぁ、そうだったんだね…。君、良かったね。ローゼ、君に振り向いてくれたんだね。」 「え??」 インキュバスは他に何も言わず、いつものように穏やかに笑って二人に手を振った。
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