3.わたしとライオンと謎規約

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「あ、あのっ……先輩が、その……屋上でお弁当を食べてるって聞いて……それで、その……」 「……内緒ですよ?」 「……え?」 「鍵。勝手に合鍵を作ったんです。だから――」  人差し指をくちびるに当て「しー」と言う先輩がかわいくて、大きく頷く。 「どうぞ」  扉が開かれぶわりと風がわたしの髪をスカートを揺らす。 「わあ……初めてきました」 「まぁ……鍵がかかっていますから」  誰もいない屋上は広くて解放感に満ちている。景色を見たくてフェンスに駆け寄ろうとすると、先輩が慌てた様子で「ダメです」と窘めてきた。 「バレちゃうでしょ? ここに俺と佐渡さんがいるって」 「あ……すみません」 「いや……おれはいいですけど、佐渡さんまで怒られると困るから」  秋風に先輩の金の髪が揺れる。綺麗。ライオンなんて言われてるけど、たてがみよりは、黄金色に輝く秋の稲穂のようだ。あるいは水面に浮かぶ月。 「先輩の髪は染めてるんですか?」 「染める……というか、脱色です。はい」 「怒られないんですか?」 「怒られ……てましたけど、先生たちは諦めたみたいで……式典の時とかだけは黒く染めてこいと言われています」
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