3.わたしとライオンと謎規約

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 要するに垣内先輩に近付くなということなんだろう。それはわかる。だけど、そんなこと先輩は望んでいないはずだ。 「そもそも、そのファンクラブって非公認ですよね? 垣内先輩が認めてもいないファンクラブの規約に効力なんてないと思うんですけど……」 「佐渡さん、今後も許可なく垣内さんに近付くようであれば、こちらにも考えがあるわよ」  ずいっと明日香先輩が前にでてきて、キッとわたしを睨みつけてくる。 「考え、ですか」 「わたしの祖父はこの学校の理事なの。それが、どういうことかわかって?」  よくはわからないけど、面倒なことになるんだろうなということだけはわかる。とりあえず今は、わかりましたって言うほうがいいんだろう。仕方なく頷き「以後、気をつけます」とも付け加えておく。 「そう。わかればいいのよ」  そう言って明日香先輩は取り巻きと共に教室から去って行った。面倒くさい。本当に面倒なことになった。でも、先輩とただお話したりお弁当を一緒に食べるだけのことに、一体誰の許可がいるというのだろう。明日香先輩の気持ちもわからなくはないけど、そこに垣内先輩の自由は一切考慮されていない。  ――まぁ、いっか。  
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