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日本最大ですから。
日本最大の暴走族と呼ばれる十二支連合は、干支の名を冠する12の部隊+αで構成されており、その人数は日本最大級である。
「...こんだけ、か?」
「......みたいね」
「.........はぁ~あ」
「集会やるぞ」と言ってから3時間。集まったのは寅と戌、辰と巳の4人だけだった。寅は大きくため息をついて、大きな中華テーブルを叩いた。
「......ところで、子は?」
「期末テストだって」
「...丑は?」
「"子が来ないなら参加しない"って」
「......卯は?」
「"お姉さんと遊ぶからパス"ってさ」
「......午は?」
「美容院だってさ。トリートメントだって」
「......未は?」
「寝てるんじゃない?メールの返事ないし」
「......申...」
「申は知らないし、酉は"妹の誕生日だから"って不参加だし亥はツーリングの最中だよ」
「......なんでお前は全員のスケジュールを把握してるのに止めねぇんだ」
寅の言い分はもっともである。辰と巳が2人で「うんうん」と頷いた。
「...大体、参加しない奴等は隊長である自覚があるのか?」
「...あんじゃねぇの?知らんけど」
「......くだらん。俺は帰る」
辰は呆れたように吐き捨てると、席を立ってそのまま出ていってしまった。そしてその姿を見て、巳も「俺も帰る~」と言って席を立ち、辰の背中を追いかけた。
「...なんなんだよあいつら」
戌と2人きりになった寅の言葉に、戌が「さぁね?」と微笑んだ。寅は困ったようにボリボリと頭を掻き、それからため息をついた。
「......隊長だって事をもっと自覚しろよなぁ、あいつら」
「無理でしょ。バカばっかたくさんいるチームだし」
「......ここが潮時かねぇ?」
日本最大の暴走族と呼ばれる十二支連合は、干支の名を冠する12の部隊+αで構成されており、その人数は日本最大級である。
......そして人数の多さゆえ、まとまりがないのである。
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