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流し、流され。
「あ"......っ、はぁ......っ」
ぐ、と押し入ってくるソレに対して、抵抗する術はあるのだろうか。排泄器官に性器を挿入するなんて、一体どんな思考回路をしていれば思いつくのだろう。
(正気の沙汰......じゃないのは言える)
全員が寝静まったはずの少年院に、ハアハアと荒く乱れた呼吸が響いた。
事の始まりは数日前。
「なぁ、お前ってケツ開発してある?」
傷害罪で少年院に来た、同部屋で生活する本杉の一言だった。勿論、ケツの開発なんてしてあるわけない。俺が首を横に振ると、本杉はタトゥーが入った腕を見せつけるように腕まくりをし「ふぅ~ん」と気のない返事をした。
「...なんだよ。開発なんてしてあるわけないだろ」
「え?マジ?俺、少年院にいる奴は開発済みなんだと思ってた」
「少年院はハッテン場じゃねぇよ...」
偏見にも程があるが、本杉は見た目からして馬鹿そうなので仕方ない。俺は敷き終えた布団の上に座り、本杉の顔を見た。
中卒で建築関係の職に就いた本杉は「ムカついたから」という理由で会社の上司に手を出して、怪我をさせたらしい。暴走族の旗持ちで、傷害を起こした奴の身代わりに少年院に来た俺とは違い、"マジモノの犯罪者"だ。だからと言ってへらへらヘコヘコするのは、男らしくない......俺はいつも通りの態度で、本杉と会話を続ける。
「つーか何?お前ホモなの?」
「あ?ちげーよ。穴があったら入れたくなるだろ?それだよ」
「クズなの?お前クズなの??」
こんなクズと同部屋だなんて嫌だ。今すぐ教官に言って、部屋を変えてもらいたい...。
「クズじゃなきゃ少年院なんぞ入らねぇだろ。おら、分かったらケツ出せ」
「分からねぇ!分かったとしても出さねぇ!!」
「は...あ、なぁ...お前マジで...嫌いっ!」
「あー?...まぁまぁ落ち着けや......出たら終わらせっから...」
「出さねぇ!!」と抵抗をして数分後。結局、流し流されてヤる事になってしまった。うつ伏せに寝る俺の腰に跨り、腰をゆっくりと動かしている。ケツの穴に出たり入ったりするアレは熱くて太くて大きくて、何だか妙な気持ちになってしまった。
「はぇっ?!あ、は、あぁ〜...っ、」
「あ?どした?クソでも漏れそうか?」
「ちがっ、な、何?今、腹、腹がおかし......っひああああっっ!!??」
「あーあーあー、でけぇ声出すな」
「あ、あっ......んぐっ、ぅ...」
フワフワ浮いたような感覚の頭に、突然、電流が流れた。堪らなくてつい大声で叫ぶと、本杉の大きな手が口を塞いだ。微かに香る石鹸の香りに、胸がキュンと狭くなった。
「ん...んんっ、ふぅ〜...」
「そうそう、静かにな...ぁっ、」
胸と一緒に、ケツの穴まで狭くなったらしい。本杉の呻く声が聞こえて、背筋がゾクゾクした。
「......出所したら飯奢るから。今夜だけの辛抱やでぇ...」
「...んぐほごご......ぐぇっ、」
「お前どこの出身だよ」とツッコミを入れたつもりになって、下半身からじんわりと広がる熱に全てを委ねた。
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