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総射琉死単栖
8月も半ばを過ぎた頃。総長が「集会開くぞ」と言い出した。前回の集会から1週間経っていないのに、突然何を言い出すのか。佐々木は「またですか」と言いかけた口を閉じ「分かりました」と口を開いた。
「総長も急に言い出すよな」
よく行く小汚いラーメン屋のカウンター席で、佐々木は親友の薄海に愚痴をこぼした。薄海は「まぁねぇ」と語尾を伸ばした返事をして、具が詰まった餃子を箸で割った。
「あの人結構、強引なんだよね」
「強引っていうか、計画性がないんだよな」
「...あーねぇ」
餃子を静かに咀嚼しながら、薄海が頷く。佐々木はズルズルと音を立てて味の濃い醤油ラーメンを啜り、静かに咀嚼した。
「でも佐々木。何だかんだ言いながら総長の"そういうところ"好きでしょ」
「はぁ?好きじゃねぇよ。何でそうなんだよ」
「え?だって無理矢理ヤられるの好きじゃん」
薄海がそう言って最後の餃子を口に運んだ次の瞬間、佐々木が椅子ごと後ろへ倒れた。
「おっ...なっ......そっ...!?」
「え?こないだガレージでヤってたじゃん。見られてないと思ってた?」
「あ"あ"~......もぉ~......っ」
薄海があっさりと告げたその言葉に、佐々木はどうする事も出来ずに頭を抱えた。
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