12人が本棚に入れています
本棚に追加
ミーンミーンと部屋の外から煩わしい蝉の声が響く。
カーテンを締め切っていても、蝉の声は止むことはない。
僕は構わず、ベッドに横たわったまま、スマホでゲームをしていた。
今年の夏は、長梅雨のせいもあり、いつも雨が降っていたけど、八月にもなると、日照りが続いていた。
それでも僕には関係ない。僕は折角の夏休みだし、ゲームをしていられる時間はずっと画面に齧り付いているだけだ。
ゲームの中で、ソロではクリア出来ないクエストが出てきた。
「あー、くそ! 誰かインしていないかなー。みんな会社かなあ……」
僕のやっているゲームはほとんどの知り合いが成人していて、昼間はインしていない。
「そういえば、マルモさんは学生じゃなかったっけ」
そう思って、個人チャットをゲーム内で送ったが、レスはなかった。
仕方ない、と思いながら、別のゲームをしようと他のアプリに切り替えた。
最初のコメントを投稿しよう!